日本アルプスの野生動物観察

日本は生物多様性のホットスポットです。
日本列島は四方を海に囲まれた環境をはじめ、様々な条件から、ここでしか見られない生きものが数多く生息しており、
実に脊椎動物種のおよそ4分の1は固有種と言われています。※①。皆さんよくご存じのニホンザルもその一つ。

日本アルプス山域にも哺乳類だけではなく、絶滅が心配される数多くの動植物達がいて、自然の中で私たち人間と共生しています。
日本アルプスの魅力は、単に山に登り、素晴らしい景色を見る事だけではありません。

そこに棲むいきもの達のことを知り、彼らともし出会うことができたなら、それは日本アルプスにおける自然の営みをより深く理解する大切な出会いのひと時となるはずです。
ここでは主に哺乳類や鳥類、鱗翅類などを取り上げてご紹介し、このエリアで観察し触れ合うことができる機会をご紹介してまいります。

※①生物多様性ホットスポット(コンサベーション・インターナショナル)

日本アルプス山域といきものたち

山、と一言で言っても日本アルプスの山域には様々な山の環境があります。その山の環境によってもちろん植生も違いますし、活動する動物や鳥、蝶なども様々。

簡単には逢うことができない「日本アルプスのいきものたち」それだけに出会った時の喜びはひとしおです。

標高と植生、そこに棲むいきものたち

高山帯

おおよそ2,500m以上の高地で、いわゆる森林限界を超えた場所となり、植生はハイマツや限られた草花となります。
<亜高山帯~高山帯の動物>

オコジョ
ライチョウ
ヤリガタケシジミ

亜高山帯

おおよそ1,500m~2,500mの間の高地で常緑針葉樹のシラビソや広葉樹ではカンバ類が多く見られます。
<山地帯~亜高山帯の動物>

ニホンカモシカ
カヤクグリ
クモマツマキチョウ

山地帯

おおよそ500m~1,500mの広大なエリアで植生は広葉樹のカラマツやブナ、ミズナラなどが多く見られます。
<低地帯/丘陵帯~山地帯の動物>

ニホンリス
フクロウ

低地帯/丘陵帯

500m以下でいわゆる里山。クスノキなど照葉樹林帯が多く見られます。

本州中央部に連なる日本アルプスでは、本州で見られるほとんどの陸生哺乳類が生息していると言っても過言ではないでしょう。 また特に高山性の特異な小哺乳類であるトガリネズミなどの小哺乳類もこれらの連山には生息しています。 これ […]

3000m級の山々が連なる日本アルプスの山麓から高山まで、多種の野鳥が生息していて上高地においてはおよそ140種類の野鳥が記録されています。中でも特筆すべきは高山に住む絶滅に瀕しているライチョウやイヌワシです。 ライチョ […]

高山蝶はその名のとおり、森林限界(森林が成立しない高度)より上部の高山帯に生息するチョウで、天気がよい日しか活動しません。 本州で高山蝶と呼ばれるのはミヤマシロチョウ、クモマツマキチョウ、ミヤマモンキチョウ、ベニヒカゲ、 […]

今年、2023年はライチョウが日本の天然記念物に指定されて、100年になります。古来より奥山に棲む神の鳥として敬われ、野⽣でありながら誰からも親しまれ、ここまで⼈との独特な距離感を持つ稀少動物は、哺乳類を含めて他に無いか […]

装備 時期 情報 フィールドサイン 注意 さぁ、日本アルプスへ貴重な野生動物達の足跡を追い、運が良ければ観察してしまいましょう。もちろん山は動物たちの棲家。こちらは来訪者ですので、節度を持って彼らを訪ねてみましょう。そう […]

飯島 正広 Masahiro Iijima 1951年、東京に生まれる。動物写真家・映像作家。 東京農業大学動物学研究室卒業。世界中で動物の写真・映像を撮影している。アジア熱帯やヒマラヤなどで、ユキヒョウ、ツルのヒマラヤ […]

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