バックカントリースキー

日本アルプスには世界中から山岳スキーヤーが集まってきます。
街からも比較的短いアクセスで高度な山岳スキーが楽しめる、そんな手軽さもさることながら、何といってもJAPOWと称賛される雪質。是非日本アルプスならではの山スキーを楽しんでください。


白馬エリア HAKUBAVALLEY

白馬バックカントリースキーの魅力は何といってもそのバリエーション。入門コースから世界最高峰のビッグバーンまで実に多彩です。


立山・室堂エリア

世界でも稀な豪雪域、室堂での山岳スキーは立山の全く違った楽しみ方の一つ。11月下旬からの初滑りと4月下旬からの春スキーがメインシーズンです。


乗鞍エリア

3000m峰乗鞍の山腹、Mt.乗鞍スキーリゾートが起点。コースはリフト終点から3000m近くまで登り、広々した大きな谷を滑降するダイナミックなバックカントリースキーです。

バックカントリースキー 基本情報

スキーの始まりは紀元前2500 年ころの北欧であったと言われており、当初は雪山での狩猟のための移動手段であったと考えられています。
その後は軍隊の雪原や雪山での移動手段、やがてレジャーやスポーツへと発展していき、練習のために斜面のある山麓にゲレンデが生まれ、現在のような形に進化してきました。
近年では、手つかずの自然の中で、まっさらなパウダースノーでの滑走を満喫したいという欲求が高まり、それまでは雪山登山にスキーを持参して自然の山の中で楽しまれていたものが、スキー場のリフトやゴンドラなどを利用してスキー場管理区域を越え、気軽に雪山へ出ていく愛好者が急速に増加しています。
スキーは元来、自然の中から生まれたレジャーであることから、こういった行為を一律に禁止するべきではないが、気軽に楽しめる反面、陰に潜むリスクを置き去りにし、雪山に対する十分な知識や経験、装備も無いままスキー場の管理区域を越え、自然の雪山の中へ出ていく無謀な行為は規制されて然るべきものです。
自然の雪山に潜む危険を極力回避し、バックカントリースキーを楽しむためには、雪山での危険を学び、十分な装備を整えた上で、万が一の遭難に備えた登山届の提出などを行うことが必要です。

バックカントリーの魅力

バックカントリースキーの魅力はやはり手付かずの壮大な自然の雪の斜面を滑る解放感や達成感、そしてその自由さかと思います。深くて軽いパウダースノーを滑るその浮遊感は体験した人を惹き付けて放しません。古くから「山スキー」として管理されたスキー場外のフィールドに登山家達が挑戦してきましたが、滑走用具や装備の進歩、ルート開拓により、多くの滑り手達が、深くて軽いパウダースノーやより急な斜面を求めてバックカントリースキーに挑戦しています。

バックカントリースキーを行う上での技術的なポイント

  • スキー場の上級者斜面を新雪、深雪、悪雪等の様々なコンディションでも転倒せずに滑り降りられる滑走技術
  • 必要な行動時間中登山行動できる体力
  • 雪崩装備の使用方法の習熟
日本でのバックカントリースキーは決して自分たちだけで行くのではなく、基本的にはルートに習熟したガイドを伴う行動にしてください。もしくはそれぞれのエリアでのツアーに参加する事を前提にしてください。

雪山へ入る・滑る上での留意事項

  • バックカントリースキーの季節:11月末から5月末(山域によって変わります)
  • 天気:積雪コンディションに大きな影響を与える要素の一つです。
  • 雪質:もちろんパウダーがベストですが、時にアイスバーンだったり、季節によってはザラメだったり、常に変化します。
  • 雪崩に対しての基礎知識: 詳細はこちら(日本雪崩ネットワーク)

バックカントリー基本装備

バックカントリースキーでの基本装備特に雪崩装備(ビーコン、プローブ、シャベル)は装備しているだけでなく、その使用方法に習熟している必要があります。

●クライミングスキン:雪山の登山時にスキーやスプリットボードの滑走面に貼り付けて滑り止めとして使用する登山用具。古くはアザラシの皮を使用していたためシールとも呼ばれる。

●雪崩ビーコン:雪崩事故時に埋没者を捜索するための電波を送受信するトランシーバー。通常は「送信」状態にセットしておき、雪崩事故捜索時には捜索者が「受信」に切り替えることで埋没者を捜索する。電波の受信範囲は50m前後から。

●プローブ:ゾンデとも呼ぶが、雪崩事故で埋没者を捜索するための長さ2〜3m、直径1cmほどの細い棒。積雪構造の観察にも使用できる。金属製やカーボン製が多く、折りたたんでバックパックに収納できる。

●スコップ:雪崩の3種の神器としてプローブ、ビーコンと合わせて持ちたい。本来雪崩事故時に埋没者を掘り出すためのものだが、積雪観察、雪洞を作るときなどにも使用できる。

バックカントリーを楽しむために

バックカントリースキーを楽しむためには守るべきルールが存在していることを認識しなければなりません。例えば、グループでスキー場管理区域外に出た場合、一斉に斜面を滑走してはいけません。滑走している時に雪崩が発生すると全員が一緒に巻き込まれる危険があり、雪崩に巻き込まれた者を救助する者が居なくなってしまうだけでなく、外部に救助を求めることもできません。
また『登山届』に記載した行動ルートを大きく逸脱した行動を取ることは、万が一遭難した場合の捜索を困難にさせ、生還の可能性を大きく減少させることになりかねません。
この他にも、山によってその地形や環境が大きく異なるため、スキー場によってはローカルルールを定めていることがあり、そのルールにも注意が必要となります。基本的ルールやローカルルールを守っても、厳しい冬山の自然の中に入っていくことから、100%のリスク回避はできないと考えなければなりません。
バックカントリースキーは自己責任のもとで楽しむものであるから、危険を回避するために何より大事なことは慎重な行動と冷静な判断、それと『登山届』を提出することであり、『登山届』に正確な行動ルートを記載することが万が一の遭難の際の迅速な捜索や救助に結びつくということを認識しなければなりません。
その点、自分たちだけではなく冷静な判断ができるガイドと同行する事やツアーに参加することが最も安全に楽しむことができる方法とも言えます。