鷲羽岳 登山ルート

高天原ルート

折立~太郎山~薬師沢小屋~高天原山荘~高天原温泉~岩苔乗越~鷲羽岳~三俣山荘~雲ノ平~薬師沢小屋~太郎山~折立

技術レベル: C
体力レベル: 8
難易度: ★★★★

黒部源流から鷲羽岳を訪ねる

飛騨山脈、水晶岳の麓に広がる高天ヶ原は黒部川の支流、温泉沢沿いにあります。シーズンになると多くの登山者が訪れる楽園です。イワナ釣りを楽しみに訪れる人も少なくないエリアです。しかし、黒部の源流部分では不用意に沢に入らないように。この辺りの沢は深く経験が必要だからです。

折立へのアクセス

●登山データ

日程:3泊4日
歩行時間:29時間10分
歩行距離:42 km
登り累積標高差:5,250 m

:山荘情報
折立

標高 1,350m

↓ 5時間分

↓ 2時間15分

薬師沢小屋

標高 1,920m

↓ 5時間

高天原山荘

標高 2,128m

↓ 20分

高天原温泉

標高 2,100m

↓ 3時間50分

岩苔乗越

標高 2,730m

↓ 1時間10分

鷲羽岳

標高 2,924m

↓ 1時間

三股山荘

標高 2,545m

↓ 30分

黒部源流部

標高 2,395m

↓ 2時間20分

雲ノ平

標高 2,551m

↓ 3時間

薬師沢小屋

標高 1,920m

↓ 1時間35分

↓ 3時間10分

折立

標高 1,350m

ルートガイド

登山口の折立から鷲羽岳まで2泊3日の行程です。鷲羽岳からの下山ルートは北アルプス南部鷲羽岳を参照してください。

登山口の折立には水場があるので、ここで十分給水をしていきましょう。登山届の提出も忘れないように。無料休憩所で装備の点検をしたら出発。登山口の左手には愛知大学生遭難の供養塔(十三重の塔)が立っています。道は樹林帯に延びています。ブナの大木が茂っています。高度が増すとシラビソやクロベの大木を見かけるようになります。三角点ベンチまでの2時間は登り勾配が強いので息の上がらない速度で登りましょう。三角点ベンチからは富山平野や有峰湖などが展望できます。

樹林帯を抜けると高原状の台地にでます。なだらかで広い尾根筋の道です。ハイマツとチシマザサがが茂っています。左に弥陀ヶ原、遠く剱岳も見えています。チングルマやニッコウキスゲ、キンコウカ、イワショウブなどのほか、池塘の周りにはさまざまな高山植物が咲き、飽きることはありません。左上に見えている薬師岳の姿が近くなると太郎山に到着します。ここまで5時間。できれば初日は薬師沢小屋に宿泊したいですが、無理そうなら太郎小屋に1泊して3泊4日(鷲羽岳まで)としてもいいと思います。

太郎山から薬師沢に向かいます。太郎山の裾を巻くようにして下ります。木道が敷かれていますが、濡れていて滑るので注意しましょう。下り着いたところが、第一渡渉点です。さらに飛び石伝いに進めば第二渡渉点。そこから急な登りになります。ササの原っぱにでると木道を歩くようになります。ゆるやかな下りです。ところどころにベンチがあるので、休みながら歩きましょう。第三渡渉点にはしっかりとした橋が架かっています。シラビソの森を抜けて、ササ原を歩くようになるとカベッケヶ原にでます。正面に見えている原生林の上が雲の平になります。少し下って水音が聞こえてくれば今宵の宿、薬師沢小屋に到着します。黒部川の源流域に建つ小屋で、ここから上ノ廊下や赤木沢の沢歩きに出発する人も多いようです。また、イワナ釣りが目的の人も多いようです。

翌日は高天原温泉に向かいます。最初の1時間ほどは黒部川に沿って大東新道とよばれる道を進みます。黒部川が増水している時は要注意ポイントが連続するため、出発前に薬師沢小屋で状況の確認をしましょう。高天原の道標に従って進みます。美しい黒部川の流れを堪能しながら登ります。大きな岩に書かれた「A沢」の文字に導かれるようにして河原を進みます。次にB沢とC沢をそれぞれ渡渉します。足場が崩れやすいので注意しましょう。山腹を横切るようにして進むと最後のD沢を渡渉します。この後は急勾配の登山道を詰めて高天原峠を目指します。

木道が敷かれた高天原峠。ここを過ぎると、湿原や草原が広がるエリアに入ります。どこか北欧の森を思わせる景色を楽しむことができます。1時間ほどでランプの宿として知られる高天原山荘に到着します。ここから20分ほどのところに有名な高天原温泉の露天風呂があります。今夜は高天原山荘に宿泊します。

高天原山荘から日当たりのいい道を軽く登ります。黒部源流域の中で最も落ち着いて歩くことができる登山道かもしれません。途中に水晶池があります。登山道から往復で10分程度ですが、渇水していることもあります。比較的に歩きやすい道が続いています。山腹に白い道標が見えてきたら、そこが岩苔乗越です。ここから鷲羽岳までは1時間10分ほど。ガレ気味の道を登ることになりますが、展望には恵まれています。途中、ロープが張られたトラバース道では足を滑らさないように注意しましょう。辿り着いた鷲羽岳山頂からの展望はまさに360度。穂高連峰や立山、白馬の山並みが素晴しい。雲ノ平を挟んで黒部源流部分も俯瞰できます。下り三俣山荘から30分ほど下がるとそこには黒部川最初の1摘、黒部源流部に出ます。更に沢向こうを2時間ほど進むとそこはもう雲ノ平です。