【CONTENTS】ライチョウを観察しやすいところ

立山

ライチョウが比較的安定して生息している立山は
絶好の出会いポイント。登山道で遭遇することも・・・

立山黒部アルペンルートの立山室堂平駅に降り立つとそこはすでにライチョウの生息地です。運が良ければ駅前で出会えることもできるからです。

1970年代から立山のライチョウを調査する富山雷鳥研究会の松田勉氏。同じ地域で長年積み上げられたデータはこれからのライチョウ保全を担う重みがあります。早くからライチョウを多くの方に紹介し有志で保全に取り組む松田氏は「立山のライチョウは上手く人との関係を築いてきている」と語ります。

ライチョウとの出会いに期待して、雷鳥坂を登り剱御前小舎までいってみましょう。剱岳の展望に優れた峠で、ここに1泊してみるのもおすすめです。

立山室堂平駅から遊歩道をミクリガ池方面へ進みます。道標に従いましょう。ミクリガ池、みくりが池温泉を過ぎて雷鳥荘を過ぎると広大な雷鳥沢キャンプ場です。ここから斜面を急登する雷鳥坂を登ります。別山乗越まで3時間30分ほどの登りです。ライチョウに出会えることを念じながら登りましょう

初夏を迎えた立山。雷鳥沢にも雷鳥坂にもまだ雪が残っています。ライチョウが生んだ最終卵が孵化する頃。愛くるしいヒナたちに出会えるチャンスです。

雷鳥坂。展望にも優れた登山道。
立山の登山道脇の岩の上で佇むライチョウ。何年もの間、登山者を見つめる眼には人間はどう映っているでしょうか。

乗鞍

岐阜県側および長野県側からバスでライチョウの
生息地へ。畳平周辺で出会えることもあります

国指定鳥獣保護区管理員である小林正直氏。乗鞍白雲荘の支配人として山の上で常に乗鞍の自然を見守っています。ライチョウの観察ルールが必要だと最初に声をあげた小林氏は「違う環境で生きる者同士が心を通わすという大切な体験ができるところ」だと語っています。

乗鞍バスターミナルから肩の小屋を抜けて1時間30分ほどですが、ライチョウの生息域は畳平周辺の魔王岳、大黒岳エリア。さらに北に向かった丸山や硫黄岳辺りになります。魔王岳はバスターミナルのすぐ北側にある山です。ほぼ20分ほどで山頂に立つことができる山です。大黒岳は同じくバスターミナルから20分ほど。山頂には休憩所が設けられています。ご来光が美しい山頂です。どちらも白雲荘を起点にすることができますので、小林さんから情報を得ることもできるはずです。丸山、硫黄岳方面はバスターミナルから往復で3時間ほどかかります。できれば1泊2日で楽しみましょう。


穏やかな山容を見せる乗鞍岳。乗鞍岳方面よりも畳平から魔王岳や大黒岳付近でライチョウの姿を頻繁に見かけることができるようです。


砂浴びをするライチョウ。羽に付着した寄生虫などを砂とともに落とすための行動です。

餌を探すライチョウ。ライチョウはアオノツガザクラなどの低木の葉やウラジロナナカマドなどのの芽を餌としています。