【CONTENTS】ライチョウの未来〜生息数と保全の取り組み〜

【 新たな目標 】

環境省は令和2年度より新たな目標に向かって取り組みを開始しています。目標は現在、約1700羽のライチョウの生息数を2500羽以上に回復させ絶滅の危険性を回避することです。そのために、絶滅危険性の指標となる環境省レッドリストのランクを下げることを目指します。しかし、登山者の皆さんの協力がなくては実現することができません。ライチョウの気持ちになって入山してください。

●動物園と連携して中央アルプスにライチョウ個体群を復活させます。
●南アルプスでは捕食者対策事業を継続して個体数回復を図ります。
●北アルプスでは近年の情報がない山岳について生息状況調査を進めます。
●火打山ではイネ科植物除去による生息環境改善事業を開始しています。
※環境省は第二期ライチョウ保護増殖実施計画を策定し、令和2年度から5年計画で新たなライチョウの保全を進めています。

【 各山岳での取り組み 】

棲み家を守れ! 火打山

生息北端である火打山では、近年、イネ科植物の繁茂や低木林の拡大等により、良好なライチョウの生息環境が縮小しています。4年間のイネ科植物等除去試験で、環境が改善されていることが分かりました。


イネ科植物除去作業のようす。

除去区画を決めて検証していく。

捕食者から守れ! 南アルプス

南アルプス北岳でのケージ保護事業と捕食者対策事業によって、5年間で個体数が約4倍に回復しました。


定点観察カメラに写るキツネ。

捕獲された捕食者テン。

中央アルプスで復活プロジェクト

中央アルプスで約50年ぶりにメス1羽が確認されました。この状況をふまえて、ライチョウ復活プロジェクトを開始しています。2020年、乗鞍岳から3ファミリー、合計19羽が移送されました。


保護ケージの中のようす。

ケージから元気に飛び出す親子。