【CONTENTS】乗鞍岳の野生動物観察

多種多様な生物が生息している

標高1500m前後の山麓から3026mの剣ヶ峰の頂上を含む乗鞍岳全域には、数多くの動植物が生息・生育しています。標高差は1500mに及び、そこには山地、亜高山、高山と自然条件が異なる環境が広がっています。形態も草原、湿原、針葉樹林、高山植生など様々で、それに伴って生息・生育している動植物も変わっていきます。ここでは乗鞍を中心とした北アルプスにどのような動物が生息しているのか、その主なものを見ていくことにします。

高山帯

およそ2500m以上の高地で、いわゆる森林限界を超えた場所。植生はハイマツや限られた花だけになります。

亜高山帯

およそ1500 ~ 2500mの間の高地で、常緑針葉樹のシラビソや広葉樹ではカンバ類が多く見られます。

山地帯

およそ500 ~ 1500mの広大なエリアで、植生は広葉樹のカラマツやブナ、ミズナラなど。

低地帯・丘陵帯

500m以下のいわゆる里山。クスノキなどの照葉樹林帯が多く見られます。


哺乳類

亜高山帯

オコジョ

岩場や登山道沿いで見かけることも多い。かわいい顔で人気があるが、ライチョウ、昆虫などを食べる。

ホンドテン

キツネとともに高山ではかなり生息しているが、姿を見る機会は少ない。糞や雪上の足跡をよく見かける。

ツキノワグマ

広範囲に生息しているが、出合頭など以外はクマの方から逃げて行ってくれる。

ホンドキツネ

足跡はテンが跳躍的なのに対して、直線状なので区別がしやすい。また糞は鞭毛的に先がとがることがある。

ヤマネ

天然記念物で日本固有種。木の洞や建物内で冬眠する。見かける機会は少ないが、背中に縦じまがあるのが特徴。

ニホンザル

北アルプス全体に生息しているが、上高地などでは人馴れしてきており、人間との軋轢が危惧されている。

ニホンカモシカ

特別天然記念物で日本固有種。広く分布しているが、高山よりも山麓で見かけることの方が多い。

クビワコウモリ

環境省レッドリスト絶滅危惧Ⅱ類。乗鞍高原には専用のバットハウスが設置され、保護活動が行われている日本国有種。

鳥類

高山帯

ライチョウ

一年中高山地帯を生活の場として生息する日本唯一の鳥。冬は亜高山帯上部のダケカンバ林などで生活する。

ホシガラス

星空のような模様があるのですぐにわかる。夏から秋にかけてハイマツの実を貯食する姿がよく見られる。

イワヒバリ

名前の通り岩場周辺を生活の場とし、明るく声量のある声で鳴く。人をあまり恐れず山小屋の近くでも見かける。

カヤクグリ

名前の通りハイマツなどカヤの周辺にいることが多く、細い美しい声で鳴く。イワヒバリに似ているが一回り小さい。

※この他ホンドタヌキ、ヒミズ、アカネズミなどが生息している。
※高山におけるコウモリの仲間などは詳しくは調べられていない。


亜高山帯

メボソムシクイ

夏鳥として渡ってきて晩秋までチョリチョリと低木の中で鳴いている。亜高山を代表する鳥。

ルリビタキ

水笛を転がすように鳴く深い青色の鳥。声はいたるところで聞くことができるが、なかなか姿を現さない。

ヒガラ

ツピッツピッと早口で鳴くシジュウカラの仲間の森林性の鳥。山地から亜高山帯まで生息している。

キセキレイ

低地から高山まで生息するレモンイエローのセキレイ。沢沿いや湿地などに生息し小昆虫が主な食べ物。

※秋季には北アルプス上空を越えていくサシバ、ハチクマ、ツミ、ノスリなどのタカの渡りを見ることができる。
※冬鳥のジョウビタキは、2020年頃から北アルプス山麓を含めた日本各地で繁殖が確認されている。