中央アルプス縦走ルート
仮設登山口~伊奈川ダム登山口~金沢土場~木曽殿越~空木岳~南駒ヶ岳~越百山 ~福栃橋~伊奈川ダム登山口~仮設登山口
技術レベル: D
体力レベル: 8
難易度: ★★★★
空木岳、南駒ヶ岳、越百山の三山を縦走する
空木岳から南駒ヶ岳、越百山を縦走する中央アルプスで人気のあるコースです。2,800m前後の尾根道を歩くので、心身ともにしっかりとした準備が必要です。宿泊する2軒の小屋は予約が必要なので、忘れずに事前に連絡を入れましょう。中央アルプスの素晴らしさが凝縮された山域を存分に楽しみましょう。
●登山データ
日程:2泊3日
歩行時間:17時間50分
歩行距離:17.83 km
累積標高差:3,084 m
(下り2,776m)
ルートガイド
2018年の台風の影響で伊奈川ダム手前の仮設登山口から歩き始めます。駐車場は無いので行きも帰りもここを起点にタクシーを手配してください。伊奈川ダム登山口からは今朝沢橋を渡り、伊奈川の左岸に延びる林道を歩きます。避難小屋の伊奈川小屋を過ぎると金沢土場に到着します。大きな看板と道標が建つところです。しばらく休憩したら、空木岳・うさぎ平の道標に従い右側の林道に入ります。この林道の終点がうさぎ平になります。ここからが山道です。いきなりの急勾配ですが、落ち着いてゆっくり登りましょう。五合目を過ぎてひとつピークを越えます。なだらかな歩きになれば六合目に到着です。吊橋を渡って尾根道に取付きますが、橋周辺の護岸は脆いので崩落に注意しましょう。また、増水時に流された経験を持つ吊橋なので、事前にチェックしておくことをおすすめします。深い樹林帯を登ります。登り勾配が強いので、一定のリズムを確保して歩くことを心がけましょう。七合目の先に仙人の泉といわれる水場があります。足りない人は給水していきましょう。さらに樹林帯を登って八合目へ。ここで尾根道からわずかに外れた場所に御岳見晴台があります。時間があれば立ち寄ってみましょう。尾根をそのまま辿れば、木曽義仲の力水とネーミングされた水場です。さらに10分登れば木曽殿越です。今日は、ここに建つ木曽殿山荘に宿泊しますが、完全予約制になりますので注意しましょう。
2日目は1時間30分ほどの急登から始まりますが、足元を染める様々な高山植物に勇気付けられるはずです。岩場を越えたところが、花崗岩に覆われた空木岳山頂です。中央アルプスのほぼ中央に聳えた山で、南アルプスから乗鞍岳、槍・穂高などの北アルプス、御嶽山や白山までが展望できます。天気が良ければ何時間でも展望を楽しみたい。と思わせてくれる山頂です。
空木岳から主稜線を南下します。コブ状の高まりを右に木曽側を巻いて進み、花崗岩が風化して滑りやすい道を下ります。鞍部からはほぼ直線的に下りまが、勾配はゆるやかです。石が散乱する道になると、左側が深く切れ込んだ迫力のある中田切の谷が俯瞰できます。必ず立ち止まって眺めるようにしましょう。この辺りから砂礫に覆われた斜面をい登り返します。その終点が赤椰岳です東西に大きな岩が堆積した山頂です。摺鉢窪カールや中田切本谷、伊奈川渓谷を俯瞰することができるピークです。記念撮影するには最適な山頂です。
ここから20分ほど下った分岐を左に登れば摺鉢窪避難小屋。分岐を直進して登れば南駒ヶ岳の山頂です。ひと休みしましょう。展望に優れた台地状の山頂です。南駒ヶ岳から主稜線を南下して仙涯嶺に向かいます。ハイマツ帯で足下に岩混じる道です。滑らないように注意しながら下ります。仙涯嶺を越えてしばらくすると岩場は終わり、広い尾根道を登って越百山の山頂に立ちます。越百山から遠見尾根を下ります。40分ほどで2日目の宿泊地、越百小屋に到着します。木曽殿山荘同様、ここも事前予約が必要な小屋です。
3日目は遠見尾根を下ります。小屋からわずかに登り、山腹を巻くようにして進みます。すぐに下りになります。上の水場に向かう分岐を過ぎて5分ほど下ると御嶽山見晴台に着きます。名称通り御嶽山方面の展望がいい場所です。この辺りが七合目になります。オコジョ平や上のコル、下のコルを過ぎると福栃橋にでます。ここで登山道は終わり、林道を下るようになります。今朝沢沿いに45分ほど下れば、伊奈川ダム登山口に帰り着くことができます。