蘭(あららぎ)ルート
(尾越〜)蘭登山口〜登山・下山道分岐〜かぶと岩〜南木曽岳山頂〜避難小屋(展望台)〜摩利支天(第2展望台)〜第1展望台〜登山・下山道分岐〜蘭登山口(〜尾越)
技術レベル: B
体力レベル: 3
難易度: ★★
南木曽岳メインルートの蘭ルートを公共交通機関を使い、尾越バス停からアプローチして登ります。クルマの方は蘭登山口近くまで行くことができます。
修験者がその修行に使っていただけに登りも下りも大変急峻な登山道ですが、現在は厳しいクサリ場にも迂回路やハシゴなどが整備されていて、初心者の方でも少し頑張れば山頂までは行けるはずです。
●登山データ
日程: 日帰りーバスでは健脚者で無い限り日帰りは難しく、クルマで行かない方は、登山時にバスよりも早い時間帯で余裕を持って、タクシーで蘭登山口まで上がって下さい。
歩行時間: 蘭登山口往復ー5時間30分/尾越バス停往復ー8時間10分 (登り:尾越バス停より山頂避難小屋 4時間30分、蘭登山口駐車場より2時間50分 下り山頂避難小屋から蘭登山口は2時間40分、尾越のバス停までは3時間40分)。
歩行距離: 登山口から 5.9km 尾越バス停から12.7km
累積標高差:登山口から+791.7m 尾越バス停から+1,116m (累積標高差ーマイナスも−791.7mとー1,116m)
ルートガイド
尾越のバス停からは国道に出て緩やかな舗装道を進みます。左に大きな釣り鐘のお寺長延寺が見えますがその寺の前の道を山の方へ進んでいきます。50−60分ほど林道を進むと右手に蘭のキャンプ場が見えます。歴史のあるキャンプ場で、週末は大変混み合い、寒い時期でもテント泊をする方が増えています。その先蘭山荘を右手に林道を更に進めば30−40分ほどで避難小屋のある登山者駐車場に着きます。クルマはこの駐車場まで入ることができます。
トイレもありますが登山届が未だの方はここで出して頂き、ここからは南木曽岳の登山となります。林の中を少し進むと林道をまたぎ、蘭登山口へと至ります。更に30分ほど林道を進むと登山下山道の分岐点に出ます。ルートタイムでは50分となっていますがもう少し早く着くかも知れません。左側登山道の方へ進み、喉の滝を越えると急登が始まります。クサリはありますが、クサリに頼らなくても木製のハシゴがあるのでそれほど心配はいりません。高野槙の林を抜け南木曽岳登山の核心部の岩場に着きます。クサリ場から登ることもできますが、右に木製ハシゴの迂回ルートがあります。急登のハシゴや階段が続きますが30分ほどでかぶと岩と摩利支天が眺望できる場所に出ます。ここから少し進むともう山頂です。
山頂は林に囲まれ全く眺望がききませんが、心配はいりません。50mほど進むと左に最初の見晴台:西のテラスがあり、更に20分も歩かない距離に避難所があり、その上に北と西に大きく開けた見晴台があります。御嶽山の眺望は素晴らしいものがありますが、なんと言ってもここは中央アルプスの山脈がほぼほぼ全て見る事ができる場所で、この至近距離で中央アルプスの山脈を眼前にできる場所は他には無く、この山が愛される理由もよく分かります。
下山は一方通行の下山道を時計回りに進んでいきます。20分ほどで東側のピークらしい所を通過し、その後すぐに登山道から脇に入ったところで摩利支天と言う大きな岩の展望台へ辿り着きます。成人男性の胸の高さまである岩をよじ登ると、眼前に恵那山、東には南アルプスがよく見渡せる絶好の場所ですが、思わず足がすくんでしまうほどの岩の先端で、十分な勇気と注意が必要です。
ここからは急な下山道となり、100mほど降りたところにもう一つ同じような岩の展望台がありますが、後はひたすらに林間の急降下となっています。どうして一方通行を時計回りにしたのか、降りていく内に分かってきます。「これはちょっと登りに使いたくない!」と言うのがその答え(かもしれない)のような急斜面連続降下の道。ここまでの連続急降下はアルプス広しといえどもなかなかの下山ルートです。辟易としながら摩利支天から1時間30分ほどで合流点に戻ってきます。ここからは登山道と同じ道を蘭登山口まで、あるいは登山口から更に下って尾越バス停までもどります。