祖母谷ルート
白馬岳~清水尾根~祖母谷温泉
技術レベル:D
体力レベル: 6
難易度: ★★★★
人知れず残された雲上の秘境ルートを歩く
歩く人の少ない祖母谷温泉コースを下ります。しかし、旭岳の裏斜面に群生するコマクサや清水岳周辺の池塘など、登山者を楽しませてくれるアイテムは豊富に揃っています。白馬岳から欅平までの歩行時間は8時間30分。宿泊予定地の祖母谷温泉までは7時間50分です。※黒部峡谷鉄道は2024年営業期間において、猫又駅〜欅平間が不通となっています。祖母谷温泉へ下山しても徒歩で宇奈月温泉方面には歩けませんのでご注意下さい。事実上祖母谷温泉へのルートは閉鎖です。こちらを下ることはお止めください。
八方尾根へのアクセス
●登山データ
日程2泊3日(猿倉から)
歩行時間:15時間25分
歩行距離:23.49km
累積標高差:2,375m
祖母谷温泉
標高 780m
↓ 40分
ルートガイド
白馬岳までは1.白馬岳の項を参照してください。
白馬岳山荘から稜線を下って、道標に従い旭岳への道に入ります。ハマツ帯を下ると旭岳の鞍部に出ます。ここで旭岳を巻くようにして進みます。雪渓をわずかに登るようにトラバースしますが、体力に自信があ
れば旭岳を経由してもいいでしょう。山頂ではコマくサの群生が出迎えてくれます。旭岳からの稜線に戻ってゆるやかに下ります。裏旭岳を通り小旭岳を巻いて進みますが、その道中は小さなお花畑が点在しています。ハイマツ帯を登り始めると清水平に入っていきます。それまで以上に小さなお花畑が広がります。途中、残雪時のみ水場があります。清水岳山頂は広く剱岳や立山連峰、槍ヶ岳などの展望を得ることができます。
清水岳から南西に進路を変えます。展望に優れた尾根道を下るようになります。焦らずに眺めを楽しみましょう。池塘が点在し、まるで高層湿原にいるような感覚です。ここから展望する白馬三山や鹿島槍ヶ岳などは裏から眺めることになり、少し違った印象を受けるかもしれません。シラビソの林からいったん視界が開けてくると不帰岳の東側を巻くようになります。シノタケの潅木帯を抜ければ不帰岳避難小屋です。ここが白馬岳から祖母谷温泉までのほぼ中間地点になります。ここから4時間の下りになりますので、少し長めの休憩を取りましょう。避難小屋の少し先に水場があります。
不帰岳避難小屋を出発します。水場を過ぎるとクサリ場に出ます。ここを下るとさらに水場があります。展望のない樹林帯を尾根に絡みながら下ります。右に百貫山が見えてくると、百貫山との鞍部に出ます。ここを巻くようにして祖母谷側を下ると、百貫の大下りに入ります。急なジグザグが続きますので、歩幅を小さくしてクリアしましょう。名剣山の山腹をトラバースするようになると、小さな沢をいくつか渡るようになります。残雪時には注意が必要な場所です。再び下り勾配が強くなると一気に高度を下げることになり、名剣沢に出ます。ここから車道を少し下れば祖母谷温泉です。ここに宿泊します。温泉とはいっても造りは山小屋です。硫黄の匂いが漂う開放感のある男女別の露天風呂が有名です。
翌日は祖母谷温泉から車道をわずかに下って、鉄橋を渡ります。さら300mほどのトンネルを抜けます。名剣温泉を過ぎた所が欅平です。ここはトロッコ電車の終点です。黒部渓谷の美しさを楽しみながら、宇奈月温泉までトロッコ電車に揺られてみましょう。宇奈月温泉からJR富山駅や魚津駅に出ることができます。