蓮華温泉ルート
蓮華温泉~白馬大池~白馬岳~雪渓取付点~猿倉
技術レベル: C
体力レベル: 5
難易度: ★★★
秘境の温泉宿からスタートする白馬岳縦走の旅。天狗ノ庭から白馬大池にかけては、さまざまな高山植物が存分に楽しませてくれるはずです。
※大雪渓へのルートは現在通行止めです。ルート計画はご注意ください。蓮華温泉、栂池への折り返し登山は可能です。(2024年7月4日現在) ※雪渓の登山(下山)には真夏でもアイゼンが必要です。
●登山データ
日程: 1泊2日
歩行時間: 10時間15分(登り: 6時間30分、下り: 3時間45分)
歩行距離: 15.6 ㎞
登り累積標高差: 1,696 m
ルートガイド
スタート地点の蓮華温泉は山中の一軒宿。内湯と野天風呂があり、できれば前泊して体に優しい湯を存分に楽しんでみましょう。翌日は早朝に出発。まずは白馬大池を目指します。蓮華温泉から森の中を歩き始めます。途中の天狗ノ庭は休憩適地で雪倉岳や朝日岳の展望に恵まれています。この辺りから登山道は白馬乗鞍岳の北側を歩くようになります。滑りやすい箇所もあるので慎重に歩を進めましょう。樹林帯を抜けると白馬大池山荘に到着します。前方には小蓮華岳から白馬岳に向かう稜線が広がっています。小屋の周辺にはハクサンコザクラやチングルマなどの高山植物が咲き誇っています。白馬大池は小屋の裏手に広がっています。
白馬大池から白馬岳山頂までは尾根を登る一本道です。快晴でも急に天候が崩れることがあるので、天候が怪しい場合はここで状況を確認しましょう。とくに夏季の午後はカミナリに要注意です。
白馬大池山荘からライチョウが頻繁に観察できる雷鳥坂を登ります。高山植物が豊富で展望にも優れた尾根道です。そのため登るスピードが落ちるかもしれません。しっかりとその感動を心に刻んでおきましょう。白馬大池山荘から2時間ほどで小蓮華山に到着します。頂上には地蔵の祠が安置され、鉄剣が祀られています。登る人、下る人の多くがここで休憩しています。さらに頑張って稜線を登ります。右に下る登山道が分岐した地点が三国境です。富山、長野、新潟三県の県境になる場所です。雪倉岳や朝日岳の展望に優れています。また、北側の斜面はコマクサの群生地として知られています。
三国境からは馬ノ背といわれる細い尾根道を登ります。歩きやすい道ですが、岩場もあるので慎重に。とくに下ってくる人とのすれ違いには要注意です。露岩を越えると山頂部分が目の前に見えてきます。この辺りでもライチョウの親子に会うことができるかもしれません。
白馬岳山頂は新田次郎著「強力伝」のモデルになった方向指示盤を中心に開けています。展望はもちろん360度。遮る物のない大展望が日本海から富士山まで続いています。ただし、ベンチなどはないので邪魔にならない場所を見つけて休憩しましょう。白馬山荘、白馬岳頂上宿舎どちらに宿泊しても、翌日の夜明けには再び山頂で雄大な夜明けのセレモニーに参加しましょう。
下山は有名な大雪渓を下る設定です。白馬岳から一段下の白馬頂上宿舎まで下り、少し勾配のある登山道を下ります。途中には水場があるので給水するといいかもしれません。大雪渓入口の葱平までは1時間です。足元に注意しながら下ります。葱平でアイゼンを装着して雪渓上に引かれた赤い線に従って歩き始めます。小さな石や岩が上方から落ちてくることもあるので慎重に下ります。できるだけ、午前中には雪渓部分を抜けるスケジュールを組むことが大切です。気温が上がって雪渓が緩むことが考えられるからです。真夏でも雪渓の上はヒンヤリしていて気持ちがいいはずです。ゆっくり下っても1時間30分ほどで大雪渓歩きは終了します。終点でアイゼンを外して登山道を進みます。すぐに白馬尻小屋に到着。ここでゆっくり休憩しましょう。後は登山道を1時間歩いて白馬駅までのバス便のある猿倉荘に向かいます。