白馬大雪渓ルート
猿倉〜大雪渓〜白馬岳〜栂池自然園
※大雪渓へのルートは現在通行止めです。ルート計画はご注意ください。栂池からの折り返し登山は可能です。(2024年7月4日現在)
詳細は白馬村へお問い合わせください。
技術レベル: C
体力レベル: 5
難易度: ★★★
山頂に建つ山小屋に宿泊して、白馬岳の大自然と展望を満喫する極上の山歩き。
技術レベルは初〜中級者向き。北アルプス入門から次へのステップコースといえます。
※雪渓の登山(下山)には真夏でもアイゼンが必要です。
●登山データ
日程: 1泊2日
歩行時間: 11時間30分(登り: 6時間55分、下り: 4時間55分)
歩行距離: 15.8 km
登り累積標高差: 1,997 m
ルートガイド
白馬岳を訪れる多くの人が選ぶコースです。そのため盛夏には渋滞することもあるので、早出を心がけます。また、雪渓の状況は日々変化します。事前に地元観光課(白馬村観光局℡0261-72-7100)や宿泊予定の小屋に確認しましょう。さらに大雪渓は盛夏の午後になると弛むことがあるので、確実に正午までには通過できるスケジュールを組むことが大切です。
猿倉荘前のトイレを利用したら道標に従い樹林帯に入ります。10分ほどで林道に出るので、ここを白馬尻方面へ。ウオーミングアップには都合のいい道です。白馬鑓温泉方面へ向かう分岐を左に見ながら進みます。林道から登山道に入ると白馬尻に到着します。ここに白馬尻小屋が建っています。ひと休みしたら潅木帯をひと登りします。すぐに大きなケルンが建つ大雪渓入口に到着します。ここでアイゼンを装着して憧れの雪渓歩きを開始します。この雪渓にはクレパスがあるので、雪渓上に引かれた赤い線(ベンガラ)に沿って登りましょう。先行者との距離を少し多めに取るようにして進みます。また、落石の多いエリアなので、上方に注意しながら息の上がらない速度で歩くことを心がけます。雪渓歩きに馴れていない人はダブルストックで進むと少し楽かもしれません。途中、土が露出した休憩ポイントがあります。雪渓の傾斜が増してくると、そろそろ雪渓終点。落石の多いエリアなので、先行する人たちの状況を確認してアイゼンを外したら、早々に岩の多い急斜面に取り付きます。
岩屋跡を過ぎるとハクサンイチゲが咲く葱平(ねぶかびら)に到着します。ここからザレ気味の急坂をジグザグに登ります。避難小屋まで登ったらその周辺で休憩しましょう。ここを過ぎるとお花畑の中を歩くようになります。水場周辺にはさまざまな高山植物が咲き誇っています。左上に見えている建物が白馬岳頂上宿舎です。焦らずに呼吸に合わせたリズムで頑張りましょう。頂上宿舎に宿泊するなら宿泊手続きをしてから山頂をピストンしましょう。白馬山荘は山頂稜線に乗った地点から15分ほど、山頂直下にあります。白馬岳山頂には大きな石造りの展望盤が設置されています。360度の展望を存分に楽しみましょう。この展望盤は新田次郎著「強力伝」のモデルになってります。遮る物のない大展望が日本海から富士山まで続いています。
翌日は夜明けに山頂で日の出を拝み、朝食を済ませたら稜線を白馬大池方面へ進みます。勾配の強い下りですが開放感と展望に優れています。コマクサが群生する三国境は朝日岳方面へ向かう道の分岐点で新潟県、富山県、長野県の境になっています。展望のいい道を快適に下ります。頂上に大きな鉄剣が建つところが小蓮華山で、多くの登山者がひと休みしています。ここから白馬大池山荘までは1時間30分ほど。高山植物と展望に心が満たされるはずです。
白馬大池には白馬大池山荘が建ち、ハクサンコザクラやチングルマなどの高山植物に恵まれています。ここから白馬大池の北側を大きな岩を乗越えながら乗鞍岳へ向います。平坦な山頂には岩が転がり特異な雰囲気です。振り返ると白馬岳山頂方面が見えています。さらに進んで雪田を横断すると木道が敷かれた天狗原に入ります。そのまま道なりに歩けば栂池ロープウェイの頂上駅に着きます。ここからロープウェイとゴンドラを乗り継いで栂池高原に下山します。