南アルプス裏銀座ルート
②鳥倉登山口~三伏峠~塩見岳~三伏峠小屋~赤石岳~聖岳~茶臼岳~畑薙第一ダム
技術レベル: D
体力レベル: 10
難易度: ★★★★★
塩見岳から赤石岳、聖岳へ縦走する
それぞれ別にアプローチすることの多い塩見岳、赤石岳、聖岳。これをまとめて一気に歩きます。宿泊するのは塩見小屋、小河内岳避難小屋、中岳避難小屋、赤石岳避難小屋、兎岳避難小屋、茶臼小屋の6ヶ所。つまり6泊7日の大満足の山旅です。一生の思い出になることは確実だが、避難小屋に宿泊することが多いので、食料などの荷物が多くなるのは必然。従ってソロではなく3~4人のグループで挑戦することをおすすめします。
●登山データ
日程:6泊7日
歩行時間:45時間15分
歩行距離:62 km
累積標高差:6,907.1 m
ルートガイド
山好きの人でも一気に6泊7日を歩き通すというのは体に無理がかかります。そのため、事前に体調を整えておくことが必要です。スタート地点は鳥倉登山口。
鳥倉登山口でバスから降りたら入念に準備体操をし、靴紐やザックベルトなどの確認をしてから出発します。三伏峠までの登山道には距離表示された道標があり、目安になります。尾根筋を歩くと豊口山間のコルにでます。ここから北斜面をトラバースするようにして進みます。途中には道幅の狭い部分や桟道もありますがたいした苦労もなく三伏峠に到着します。一服したら北へ向かいます。すぐに三伏山です。ここから灌木帯の下りになります。本谷山はハイマツに囲まれています。ひと息入れたら出発しましょう。立ち枯れした木が目立つ樹林帯を抜けていくと、権右衛門沢の源頭にでます。ここから急坂を登ると塩見小屋(要予約)です。今日はここに宿泊します。チェックインしたら塩見岳をピストンしましょう。ここから塩見岳にかけては岩場やザレ場が連続するので、できるだけ身軽になって登りましょう。塩見岳には東峰と西峰があります。富士山の眺めを堪能したら塩見小屋に戻りましょう。
翌日は塩見小屋から三伏峠まで戻ります。ここから縦走が始まります。ガレの縁を通ってお花畑を抜ければ烏帽子岳の山頂に到着します。塩見岳が目の前に広がっています。ここから前小河内岳へ向かいます。荒川三山の展望に優れたピークです。次のピーク、小河内岳からは荒川三山が大きく見えています。この下に避難小屋が建っています。2日目はここに泊まります。
3日目、避難小屋から30分ほど下ると森林限界点にでます。お花畑が点在するエリアを抜けて、尾根道の北側をトラバースして板屋岳から高山裏避難小屋に向かいます。西側の展望に優れた場所に建っています。また、ここから往復30分のところに水場があります。オオシラビソのトラバース道から小さな広場を抜けると標高3,068mの前岳です。ここから北へ15分のところが中岳です。3日目の夜はここに建つ中岳避難小屋に宿泊しましょう。
4日目は稜線から外れ、お花畑を抜けます。荒川小屋を抜けたらトラバース気味に下ります。大聖寺平を過ぎ、右に延びる登山道を分けて進みます。小赤石の肩を抜け1時間ほど歩けば赤石岳山頂に到着します。方向指示盤を頼りに展望を確認しましょう。4日目は山頂下に建つ赤石岳避難小屋に泊まります。
6日目は歩行時間が長いので、できるだけ早い時間に出発します。ガレ場や急坂をクリアすれば聖岳山頂に到着します。日本アルプス最南端の3,000m峰です。展望を楽しみましょう。聖岳から聖平小屋下の分岐までの高低差はおよそ860m。ここを2時間弱で下ります。ガレたヤセ尾根を下るため、細心の注意を払う必要があります。山に入って6日目なので疲れているはずです。自重して歩くように心がけましょう。設定では茶臼小屋に宿泊することになりますが、無理をせずに聖平小屋に泊まって7泊にするのもいいと思います。360度の展望が楽しめる上河内岳は肩から往復20分ほどです。肩から茶臼小屋までは1時間15分ほど。ダケカンバ越しに見える富士山の姿が印象的です。今夜は茶臼小屋に宿泊しましょう。時間があれば茶臼岳をピストンしておきましょう。
最終日は茶臼小屋から畑薙第一ダムまで下ります。お花畑から横窪沢小屋前を通過して歩きます。横窪沢小屋手前の展望ベンチからは大無間の展望が楽しめます。急勾配が連続するので、一歩一歩を確実にだすようにして歩きます。階段を下るところも数ヶ所あるので注意しましょう。ウソッコ沢小屋を過ぎると畑薙大吊橋はもうすぐです。この吊橋を渡れば畑薙第一ダムは目の前です。