仙丈ケ岳 登山ルート

仙丈ヶ岳裏ルート

③柏木登山口(市野瀬)~松峰小屋~仙丈小屋~仙丈ヶ岳~松峰小屋~柏木登山口(市野瀬)

技術レベル:D
体力レベル:7
難易度 ★★★★

歩く人の少ない地蔵尾根からアプローチする

柏木登山口から登る地蔵尾根ルートは、仙丈ヶ岳裏ルートとして知られています。しかし、所々で林道と交差したり足場のよくない箇所やルートが分かりにくいところもあります。必ず地図とコンパス、あるいはGPSを持って登るようにしましょう。迷ったら、分かる場所まで戻ること。さらに撤退する勇気を持ってチャレンジしてください。2泊3日、上級者向きのコース設定をしましたが、ルートが分かりにくいことと登り勾配が強いからです。

●登山データ

日程:2泊3日
歩行時間:16時間10分
歩行距離:23.03㎞
登り累積標高差:2,547m

:山荘情報
柏木登山口

標高 1,150m

↓ 4時間30分

松峰小屋

標高 2,096m

↓ 4時間40分

仙丈小屋

標高 2,900m

↓ 20分

仙丈ヶ岳

標高 3,032m

↓ 3時間40分

松峰小屋

標高 2,096m

↓ 3時間

柏木登山口

標高 1,150m

ルートガイド

10台くらいの駐車スペースと登山届投函箱がある登山口です。国道152号線からわずかに入ったところにあるので、アクセスは便利です。準備体操をして出発しましょう。登山口までは林道ですが、登山口からは樹林帯を歩くようになります。ただし、所々で林道を併用します。

展望のない樹林帯を歩き始めます。歩く人が少なく荒れているように思いがちですが、それほど荒れているイメージはありません。道標も少ないですが、立てられています。20分ほど歩くと孝行猿の碑にでます。

※昔、長谷村に住む猟師が不猟の日、下山途中で見かけた猿を獲物にして家に持ち帰り、囲炉裏の脇に置き眠ってしまったところ、3匹の子猿が母猿の傷口を囲炉裏の火で温めて生き返らそうとしている姿を目撃し、自らの行いを悔いて、翌朝その母猿を裏山の松の木の根元に手厚く葬った」という話が残っています。この猟師は廃業して諸国行脚にでたということです。今から200年以上も前の話ですが、実際にこの猟師が住んでいた家がそのまま長谷村に現存しているそうです。

孝行猿の碑からさらに樹林帯を進みます。道ははっきりしていますが、展望は中々得ることができません。林道を併用して歩くところは分かりやすいですが、林道から山道に分かれるところに注意しましょう。道標を見落とさないように。「何か違う?」と思ったら、すぐに分かる場所まで戻りましょう。歩き始めて1時間を過ぎた頃、視界が開けて中央アルプスの山塊が目の前に飛び込んできます。穴沢ノ頭の下を通っていくと、林道を併用して進むようになりますが、ほとんど道なりなので迷うことはないはずです。松峰ピークの南下を通過すると登山道と林道が並走します。若干分かりにくいので踏跡を探しながら歩きましょう。間違っても山中を彷徨うようなことにはならないはずなので、林道と登山道から外れないことが大切です。分からなくなったら、必ず分かる場所まで戻ること。

松峰小屋は登山道から100mほど下ったところに建っています。道標に従えば間違うことはありません。避難小屋なので、それなりの装備を持参する必要があります。20名ほど宿泊することができます。

翌日はカラマツ林に延びる道を歩きます。南アルプスの展望に優れた登攀が続きます。勾配が強いので立ち休みをしながら歩きましょう。正面上方にようやく目指す千丈ヶ岳が見えてきます。迫力のある大仙丈ヶ岳も見えています。直線的な道に入ります。ここで仙丈ヶ岳の稜線に乗ったことになります。ハイマツやシャクナゲの中を歩いていくと、その年によっては足下が高山植物に染められることもあります。眼下のカール台地が広がるところを右に曲がれば10分ほどで仙丈ヶ岳の山頂。カール台地に建つのは仙丈小屋です。今日はここに宿泊しますが、山頂から10分程度なので、存分に山頂からの眺めを楽しみましょう。仙丈小屋からは甲斐駒ヶ岳や遠く北八ヶ岳の蓼科山が見えています。標高2,900mの小屋でひと晩を過ごしたら、往路を戻ります。