小池新道ルート
②新穂高温泉~笠新道登山口~鏡平山荘~弓折分岐~抜戸岳~笠ヶ岳~笠新道分岐~笠新道登山口~新穂高温泉
技術レベル: C
体力レベル: 7
難易度: ★★★★
笠新道の急登を避けて笠ヶ岳山頂へ
●登山データ
日程: 2泊3日
歩行時間: 17時間5分
(登り: 10時間40分、下り: 6時間25分)
歩行距離: 27.9 km
登り累積標高差: 2,562 m
ルートガイド
スタート地点は、笠新道を登るルートの起点と同じ新穂高温泉です。途中の笠新道入口までは、笠新道ルートと同様に蒲田川の左俣を歩きます。笠新道登山口で笠新道には入らず、直進します。わさび平小屋を過ぎてしばらく進むと小池新道登山口です。ここで小池新道に入ります。よく整備された登山道です。1時間ほどで秩父沢出合です。秩父沢に架かる橋は7月中旬~10月中旬までで、それ以外は雪害を避けるために撤去されます。チボ岩からイタドリヶ原を過ぎるとシシウドヶ原に到着します。休憩に適した広場になったところです。ここから1時間ほどで鏡平山荘です。今夜はこの小屋に宿泊しましょう。鏡平は槍ヶ岳や穂高の山並みに優れたところです。
翌日は笠ヶ岳まで行きます。鏡平山荘から橋を渡り、少し勾配の強い斜面の道を登ります。途中からトラバース気味に登れば弓折分岐に到着します。ここで、双六岳方面から笠ヶ岳に向かう尾根道に乗ったことになります。日程に余裕があれば、ぜひ双六岳をピストンしてみてください。弓折分岐から鞍部の大ノマ乗越まで下り、そこから登り返します。大ノマ岳の山頂はわずかに巻いていきます。途中で切り立った斜面の上を慎重に歩いて秩父平まで下ります。コゴメグサやチョウジギク、コガネギクなどが咲く道です。足元に注意しながら歩くようにしましょう。秩父平は草原が広がるところです。双六岳の深い谷を隔てて黒部五郎岳の姿が大きく見えています。草原の縁を通って、秩父沢のカール底に入ります。夏の早い時期なら雪渓が残り、水の補給ができるところです。ハクサンコザクラやタテヤマリンドウ、アオノツガザクラ、チングルマなどの可憐な高山植物を愛でることができます。カールの底から急な登りになり、足場の悪いザレた斜面を抜けると広い稜線にでます。低いハイマツと砂礫の尾根道を登ります。遮るもののない展望を楽しみながら進みます。抜戸岳の山頂を巻くと笠新道と合流します。笠ヶ岳が目の前に見えています。急坂を越えたところが笠ヶ岳山荘下の台地で、キャンプ指定地になっています。斜面を登ればすぐに笠ヶ岳山荘です。宿泊の手続きを済ませたら山頂を往復してみましょう。スレートのような岩片を踏んで登れば笠ヶ岳の北峰です。本峰の南峰は一投足です。ケルンの立つ山頂からの展望は素晴らしいのひと言です。とくに夕暮れに染まる穂高岳のシルエットが印象に残ります。
下山は笠新道分岐まで戻って笠新道を下ります。杓子平までは急な下りが続きますが、高山植物が多く目を楽しませてくれるはずです。杓子平からも下りが続くので、ここで大休止しましょう。スピードを控えるようにして下ります。針葉樹の大きな森を抜けてしばらく下れば笠新道登山口です。ここで右に進路を取ればスタート地点の新穂高温泉に戻ることができます。