笠新道ルート
①新穂高温泉~笠新道登山口~標高2472m地点~笠新道分岐~笠ヶ岳~笠新道分岐~笠新道登山口~新穂高温泉
技術レベル: C
体力レベル: 6
難易度: ★★★
長く苦しい登りが続きますが
最も早く山頂に立つことができます。
●登山データ
日程: 2泊3日
歩行時間: 15時間15分(登り: 8時間50分、下り: 6時間25分)
歩行距離: 20.3 ㎞
登り累積標高差: 2,161 m
ルートガイド
笠新道からアプローチする場合に注意したいのが、その勾配の強さ。そのため、時間をかけてもいいなら②で紹介する弓折分岐から尾根道を辿るコースをおすすめします。
少しでも早く、安全に到着するために1日目は新穂高温泉か、わさび平小屋に宿泊しましょう。わさび平小屋に宿泊した場合は、全歩行時間が20分程度多くなります。新穂高温泉のバス停から笠新道登山口までは約1時間10分。蒲田川の左俣の流れに沿う林道を辿ります。左股林道が右岸に移ると笠新道登山口です。ここに水場があります。ボトルに詰めてから出発しましょう。歩き始めから急な登りです。山腹を折り返しながら高度を稼ぎます。ブナやミズナラなどが茂る道を息の上がらない速度で登るようにしましょう。秋の彩りに期待が持てるエリアです。夏なら樹林帯を涼しい風が抜けていきます。標高を記した標識が随所に立てられているので、自分がいる場所がよく分かりますが、反面では思うように高度が稼げない苛立ちを感じます。標高1,700mくらいのところで草付きの斜面にでます。槍ヶ岳や穂高の山並みの展望がいい場所です。さらに高度を上げると、焼岳や乗鞍岳も展望できるようになります。
標高1,920m地点が杓子平との中間点になります。ひと際、勾配の強い登りになります。かなり強い登りです。左に見えているのが岩小屋沢の崩壊地です。樹林帯を抜けると草付きの尾根に変わり、キリンソウなどの高山植物が鑑賞できます。この辺りを登りきると疎林帯に入ります。ナナカマドやハンノキが目立っています。ここを過ぎるとハイマツの間を登るようになります。ここを抜けるとやっと勾配が落ち着いてきます。杓子平はすぐです。台地状に開けた杓子平。ここで初めて笠ヶ岳を眺めることができます。山頂まではまだ遠いですが、先が見えただけに足取りは軽くなります。杓子平で休憩したら、展望を楽しみながらカール地形の中を進みます。チングルマやハクサンイチゲ、ヨツバシオガマなどの高山植物がきれいなところです。赤黒い岩壁が見える辺りから急勾配になります。浮いた石に注意しながら登れば主稜線に乗ることができます。
それまでの急登とは違い、展望が開けた尾根道です。軽いアップダウンを繰り返すと抜戸岳に到着します。ここから播隆平を見下ろしながら進みます。たいした苦労もせず、笠ヶ岳山荘に到着します。山頂は笠ヶ岳山荘からスレート状の岩が積み重なる斜面を登ったところにあります。笠ヶ岳の北峰は薄く平たい石が重なったようなところです。三角点が置かれた南峰は、北峰からわずかに歩いたところにあります。今夜は笠ヶ岳山荘に宿泊して、往路を下山しましょう。笠新道の急坂は転倒に注意が必要です。