槍ヶ岳 登山ルート

大キレットルート

槍ヶ岳~大喰岳~中岳~南岳~大キレット~北穂高岳

技術レベル: E
体力レベル: 9
難易度: ★★★★★

槍ヶ岳から穂高岳を縦走する

穂高連峰の核心部分を縦走する。このコースは西穂高岳から奥穂高岳を縦走するコースと並び難易度が高い。細心の注意を払って挑戦しよう。大キレットはよく渋滞するが、焦らずに自分のペースを守ること。

上高地へのアクセス
新穂高ロープウェイへのアクセス

●登山データ

日程:1泊2日(槍ヶ岳山頂から)全体では2泊か3泊
歩行時間:上高地から槍ヶ岳10時間50分、大キレット6時間30分、北穂高岳から上高地7時間5分
歩行距離:6㎞(大キレットのみ)41km(上高地から)
登り累積標高差差:2,997m(上高地から)

:山荘情報
槍ヶ岳山荘

標高 3,080m

↓ 2時間40分

天狗原分岐

標高 2,975m

↓ 20分

南岳小屋

標高 3,032m

↓ 40分

最低コル

標高 2,748m

↓ 40分

長谷川ピーク

標高 2,841m

↓ 45分

A沢のコル

標高 2,795m

↓ 30分

飛騨泣き

標高 2,924m

↓ 1時間5分

北穂高岳北峰

標高 3,103m

ルートガイド

槍ヶ岳までは槍ヶ岳の項を参照してください。

槍ヶ岳の山頂からは早出するようにしましょう。山荘前から急勾配の岩尾根のを下りきったところが飛騨乗越です。右に槍平経由新穂高への登山道が分かれています。ここから大喰岳への登り返しになります。大喰岳の山頂は台地状に広がり、槍ヶ岳の穂先が目の前に広がります。
ここから中岳に向けて下ると鞍部に到着。飛騨側を絡むようにして登ります。中岳山頂は縦走路からわずかに南に外れています。縦走路はいったん東側に回り込むようになり、岩場を絡んで下ります。夏遅くまで雪田が残る場所です。岩場を過ぎると、のびやかな尾根が南岳へと続いています。左に分かれる道は天狗原へと下っています。山頂直下の岩壁を右から登れば南岳の山頂です。
後方に槍ヶ岳、前方には穂高連峰が眺められます。笠ヶ岳や常念岳などの展望にも優れています。山頂から一段下ったところに南岳小屋が建っています。山頂から大キレットや北穂の池などの展望がいい小さなピークを越えて下りにかかります。足場の悪い溝状の道を下り、やせた岩稜から高度感のさる岩場を下ります。さらにハシゴで岩場を10mほど下ると小さな台地に着きます。

台地からキレットの最低部分までは比較的安定しています。このキレット最低部分からいよいよ難所歩きになります。小さなピークから次の顕著のピーク(長谷川ピーク)へとゆるい岩場の登りになります。
ピークの先が馬ノ背で両側が切れ落ちたナイフエッジの岩稜線が続きます。10mほどの岩岩を下ります。要所にはクサリが張られていたり、アンカーが打ち込まれています。馬ノ背の先もヤセ尾根が続きます。滝谷側に架かる桟道を渡ると、A沢のコルといわれる北穂高岳の基部に到着します。
ここから赤茶けたもろい岩に取付きます。足下が砂礫なので、滑らないように要注意です。岩場を抜け、岩稜を縫うようにして滝谷側に移るといよいよ飛騨泣きの悪場にかかります。

切れ落ちた岩壁を登り、岩から乗りだすようにしてトラバースします。その先は狭いギャップで落ち込んでいます。そこを跨ぐようにして岩の上に登ります。つま先が乗るだけの狭いバンドを斜上していきます。足場用に打ち込まれたアンカーやスタンスにしっかり足を乗せて進みましょう。岩峰の滝谷側を絡み終えるとナイフエッジの岩稜にでます。さらにホールドの豊富な岩壁を越えれば傾斜はゆるみ、飛騨泣きの悪場は終わります。
しかし、傾斜はゆるみますが岩がもろいので落石に注意しましょう。横尾谷側の斜面にでると、大キレットを隔てて槍ヶ岳へ続く稜線の眺めを楽しむ余裕が生まれるはずです。しかし、まだ急な岩場が続きますので気持ちを保ちましょう。滝谷覗きの先で横尾谷側を絡みながら、北穂高岳直下の岩場の登りになります。短いハシゴやクサリをクリアして滝谷側に寄るように岩尾根を辿れば北穂高小屋の石垣に行き当たります。ここで階段を登れば北穂高小屋。小屋のテラスを抜けて石段を登れば北穂高岳山頂です。