針ノ木岳 登山ルート

扇沢周回ルート

①扇沢~針ノ木雪渓~針ノ木岳~赤沢岳~新越山荘~種池山荘~扇沢

技術レベル: c
体力レベル: 6
難易度: ★★★

立山連峰の山並みを展望しながら県境を歩く。

扇沢から北アルプス三大雪渓のひとつに数えられる針ノ木雪渓を登ります。針ノ木岳からは種池山荘に向けて尾根道を縦走します。立山の山並みや黒部湖を展望しながらの楽しい歩きが続きます。(2021年8月雪渓は崩れて登れません。全て巻道からの登行となります)

扇沢へのアクセス

●登山データ

日程:2泊3日
歩行時間:15時間45分
歩行距離:21km
累積標高差:2,541m

:山荘情報
扇沢

標高 1,433m

↓ 1時間30分

大沢小屋

標高 1,675m

↓ 3時間30分

針ノ木峠

標高 2,540m

↓ 1時間

針ノ木岳

標高 2,820m

↓ 2時間45分

赤沢岳

標高 2,678m

↓ 1時間30分

新越山荘

標高 2,462m

↓ 2時間30分

種池山荘

標高 2,460m

↓ 3時間

扇沢

標高 1,433m

ルートガイド

室堂に向かう立山黒部アルペンルートの長野県側の登山口、扇沢からスタートします。駅を正面に見て、左側に登山口があります。ここから入ります。林道歩きから登山道に入ります。小さな沢を2本ほど渡って進むと、前方に針ノ木岳の稜線が見えてきます。さらに高度を上げれば大沢小屋です。傍らには大町登山案内人組合組合を結成した百瀬慎太郎のレリーフがあります。ここからしばらく樹林帯を登ります。上空が開けてくると針ノ木雪渓の取付点に到着します。

アイゼンを装着して雪面を登ります。アイゼンが適格に雪面を捉えることができれば短時間で高度を稼ぐことができます。トレッキングポールの長さを調節して登りましょう。途中で雪渓の幅が狭くなる箇所があります。ノドといわれるところです。ここを過ぎたら若干、左方向を意識しながら登るようにしましょう。マエクボ沢に迷い込む危険があるからです。雪渓が終わると、右側のジグザグ道を登るようになります。上方に針ノ木峠の黄色い標識が見えてきたら、そこが針ノ木峠。ここにに建っているのが、針ノ木小屋。ここに宿泊します。テントサイトからは槍ヶ岳方面が展望できます。

翌日は早朝に出発。針ノ木岳を目指します。針ノ木小屋の裏手から登山道に取り付きます。少しずつ高度を上げていきます。岩場をひと登りしてザレた斜面をジグザグに登ります。ハイマツ帯に入れば針ノ木岳山頂は目の前です。

遮るもののない山頂。立山連峰や穂高連峰、黒部湖などが見えています。ここから稜線を縦走します。針ノ木岳からは岩場を下ることになります。慎重に下りましょう。ガレと岩場が続く下りです。その後登り返せばスバリ岳の山頂に到着します。山頂からは眼下に青々とした黒部湖、黒部ダムも見えています。その上方に広がるのは立山の山並みです。登山者で混んでいるであろう雄山山頂もよく見えています。スバリ岳からガレた道を下ります。信州側が切れ落ちているので、少し緊張しますが、登山道はしっかりしていますので、外れないように歩きましょう。鞍部からゆるやかに登り返せば赤沢岳です。

赤沢岳は立山連峰に最も近い山頂です。黒部湖を眼下に最高の展望を得ることができます。赤沢岳から鳴沢岳は吊尾根を歩く。という感覚です。黒部ダムへ抜けるバスが走るトンネルは、この稜線の鳴沢岳寄りの真下を通っています。展望を楽しみながら歩きたくなりますが、よそ見は危険。所々で立ち休みをしながら眺めを楽しみましょう。鳴沢岳から下りが続きます。新越乗越を越えると勾配が落ち着き、新越山荘に到着します。信州側にはお花畑が広がっています。ここから種池山荘までは2時間30分です。できれば新越山荘に宿泊しましよう。3日目はまず、種池山荘に向かいます。新越山荘から登りにかかります。ピークを越えて進むと鹿島槍ヶ岳が見えてきます。剱岳も大きく見えるようになります。岩小屋沢岳を越えて、ゆるやかな稜線を歩きます。爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳が大きく見えてきます。黒部側を巻くようにして進むと棒小屋乗越にでます。ここから樹林帯に入れば、わずかな時間で種池山荘に到着します。針ノ木岳から1日で歩いてきたら、ここで1泊するといいでしょう。

種池山荘からは柏原新道を下ります。扇沢まで3時間です。とくに危険な箇所はありませんが、下り勾配が強く道幅が狭いので、すれ違いには注意しましょう。