雪倉岳-朝日岳ルート
白馬岳~雪倉岳~朝日岳~北又小屋~小川温泉元湯
技術レベル:C
体力レベル:8
難易度 ★★★★
白馬岳から派生する縦走路を下り、日本アルプス最北の二百名山と三百名山へ。
北アルプス北部の展望と高山植物が目当ての山歩きです。あまり登山者に人気のない道のため、トップシーズンでも混雑することはありません。北アルプス北部の展望を独り占めしている気分が最高です。
●登山データ
日程:2泊3日小川温泉含めると3泊4日(猿倉から)
歩行時間:21時間25分
歩行距離:34.17 km
登り累積標高差:3,133 m
ルートガイド
白馬岳までは1.白馬岳の項を参照してください。
白馬岳から2泊3日の行程です。1日目は朝日小屋、2泊目は小川温泉元湯に宿泊します。1日目の歩行時間は7時間、2日目は7時間30分。
白馬岳山頂から白馬大池方面へ下ります。三国境で左に下る広い稜線に入ります。正面に雪倉岳、朝日岳の雄大な山並みが広がっています。左下に見えているのが雪渓の端に水を湛えた長池。鉢ヶ岳との鞍部の手前で、蓮華温泉に下る鉱山道を右に分けて進みます。マツムシソウの群落が出迎えてくれるはずです。鞍部から右下へ鉢ヶ岳東側の山腹を進む道に入ります。少し下り、ほぼ水平に巻くようにして進みます。途中、夏遅くまで残る雪渓を渡りますが、雪が消えると次々に高山植物がお花畑を形成していきます。小砂利を敷き詰めたような登山道をゆるやかに下ります。まもなく雪倉岳避難小屋に到着します。この長いルートでは重要な意味を持つ小屋です。使用する場合は注意しましょう。
雪倉岳への登りはそれほど辛くないはずです。小さくジグザグを繰り返しながら登ります。斜度が落ち着くと雪倉岳山頂に到着します。山頂名が刻まれた石碑が埋め込まれています。昔、白馬岳を大蓮華岳と呼んだことが分るようなロケーションが後方に広がっています。また、正面には朝日岳と今日宿泊する朝日小屋の三角屋根が見えています。
雪倉岳から稜線に絡んで富山側をゆるやかに下ります。稜線から外れて右に進みます。右下に見えているのが雪倉池です。ガレ場を過ぎて左へ。稜線に絡んで下ります。数回ジグザグを繰り返すと稜線に戻ります。広くゆるやかなザレの斜面を稜線から外れて下るとバメ平です。正面に見えているのは赤男山(あかおとこやま)です。シラビソとハイマツの中を抜けると燕岩の下に出ます。ここから朝日岳に向けてトラバース道が続きます。軽くアップダウンを繰り返していくと小桜ヶ原の端に飛び出します。ここは細長い湿原の台地です。木道が敷かれているので、そこをトレースします。ハクサンコザクラやチングルマが足元を染めてくれる道です。池塘の脇を抜けて登り勾配になる辺りで小桜ヶ原を抜けます。
しばらく歩くと朝日岳へ登る道と山腹に延びる水平道との分岐に着きます。ここは直登して朝日岳山頂を目指しましょう。樹林帯を登ります。斜度が強いのでゆっくり登りましょう。勾配がゆるくなってくれば朝日岳山頂です。広い草原状の山頂です。展望盤で眺めを確認しましょう。稜線を西に下りましょう。背の低いシラビソとハイマツの間を下ります。道はジグザグを切るようにして下っています。水谷のコルで水平道と合流します。その先が今宵の宿、朝日小屋です。テントサイトの周辺は高山植物の宝庫です。体力に自信のない人は水平道を歩いて朝日小屋に入り、翌朝に朝日岳をピストンしましょう。
2日目の歩行時間は7時間30分です。しかも下り道なので、スピードをコントロールして転倒などしないように。朝日小屋で十分睡眠をとっておきましょう。小屋からゆるやかな尾根道を下ります。残雪が残っている時は滑らないように注意しましょう。広い草原に出ます。そこが夕日ヶ原です。チングルマの大群落が見事です。大正時代に発見された時には「天上の楽園」と称されたそうです。名称通り、夕日がきれいな場所です。少し急なクサリ場を下り、樹林帯を登り返した地点がイブリ山です。この先から厳しい下りが始まります。最初はゆるやかですが、すぐに視界のない樹林帯を急降下することになります。八合目付近からブナが目立つようになります。小さな広場になったブナ平は5合目。少し休憩しましょう。ここからも急降下が続きます。合目標示を確認しながら下りましょう。北又ダムの下にある吊橋を渡った所が北又小屋です。
北又小屋から小川温泉までは車道歩きです。3時間ほどですが無理なようならタクシーを呼びましょう。朝日小屋から電話して北又小屋に迎えに来て欲しい時刻を伝えておくとスムーズです。健脚者なら小川温泉に迎えのタクシーを呼んでとやま鉄道泊駅まで送ってもらいましょう。