穂高連峰の紅葉ハイキングガイド

岳沢紅葉ハイキングルート

大正池~上高地~岳沢小屋~上高地(初級)

涸沢と比べると、パノラミックな展望や色づく木の種類は少ないですが、ずっと近く、まだあまり知られていない、静かなコースです。

●登山データ

日程:日帰り
歩行時間:5時間20分(登り3時間20分、下り2時間)
歩行距離:11.5㎞
高低差:660m

:山荘情報
大正池

標高 1,500m

↓ 20分

田代池

標高 1,500m

↓ 30分

上高地

標高 1,505m

↓ 1時間20分

風穴

標高 1,735m

↓ 1時間10分

岳沢小屋

標高 2,161m

↓ 2時間

上高地

標高 1,505m

ルートガイド

上高地から穂高岳への最短コースである重太郎新道を途中の岳沢小屋まで歩くルートです。涸沢ルートと比べると、距離的には3分の1足らず。高低差が8割近くあるので、歩行時間は半分弱の4時間30分になりますが、上高地から日帰りで楽しめます。全体に樹林歩きが長いので、大正池からスタートして、草もみじの田代池などを経由していくのがおすすめです。

大正池でバスを下りると、すぐ大正池の湖畔に出て、青く澄んだ湖面の向こうに奥穂高岳などの穂高岳連峰を眺められます。その中央部に、ガレて、くっきりと白く食いこんでいるのが岳沢です。その中間部付近にある岳沢小屋まで往復します。

河原状の広い湖岸を北上して、上高地自然研究路を進むと、いったん針葉樹林に入り、樹林が開けると田代池に着きます。池の上に霞沢岳の岩峰がそびえ、北側には穂高岳も顔をのぞかせています。

自然研究路を北上して田代橋に着いたら対岸へ渡り、ウェストン碑を見て河童橋へ。涸沢や槍ヶ岳へ向かう登山者のほとんどは東岸の道をとりますが、岳沢へは、そのまま西岸を進みます。

こぢんまりした岳沢湿原の先で、直進する明神への道と別れて左へ入るのが岳沢ルートです。すぐ林道を横切り、登山道に入ると、シラビソなど常緑針葉樹林がうっそうと茂る道が続きます。展望には恵まれませんが、心やすらぐ道です。

傾斜が増し、ジグザグに登っていくと、岩が積み重なった隙間から冷気が吹き出している風穴に着きます。冷たい風が夏は涼しく、天然クーラーとも呼ばれているところです。さらに登って、ガレた前明神沢を横切ると、背後に上高地の谷、その上に乗鞍岳などを眺められます。このあたりで、上高地から300mほど標高を稼いでいて、全体の高低差の半分をこなしています。

ふたたび樹林に入りますが、登るうちに常緑針葉樹林は落葉広葉樹林に変わり、木々がまばらになり、ガレた岳沢に出て、展望を楽しめるようになります。広々としたガレ沢に沿って登り、ゴールの岳沢小屋に着いたら、岳沢を囲む穂高岳連峰の岩壁や紅葉を心ゆくまで眺めましょう。

下山は、登ってきた道を上高地へ戻ります。なお、この先の重太郎新道は北アルプスでも指折りの急登で、岩場も連続する上級コースなので、うっかり入りこまないよう、注意しましょう。

紅葉の見ごろは例年、岳沢小屋付近が10月上旬、大正池~上高地は10月中旬~下旬ごろですが、田代池の草もみじは10月上旬ごろが見ごろです。紅葉の見ごろは変動するので、最新情報を確認して出かけましょう。