穂高連峰の紅葉ハイキングガイド

涸沢紅葉ハイキングルート

上高地~徳沢~横尾~涸沢~横尾~徳沢~上高地(初級)

涸沢は、かつて氷河が削ったカール地形。開けた谷を紅葉の絨毯が埋め、
穂高岳連峰の岩峰に囲まれて、日本有数の絶景の紅葉を楽しめます。

●登山データ

日程:1泊2日
歩行時間:11時間10分(登り6時間10分、下り5時間)
歩行距離:30㎞
高低差:800m

:山荘情報
上高地

標高 1,505m

↓ 1時間

明神分岐

標高 1,631m

↓ 1時間

徳沢

標高 1,562m

↓ 1時間10分

横尾

標高 1,620m

↓ 1時間

本谷橋

標高 1,782m

↓ 2時間

涸沢

標高 2,309m

↓ 5時間10分

上高地

標高 1,505m

ルートガイド

上高地から横尾までは広く、なだらかな道。横尾から横尾谷沿いの登山道となります。グレードの初級はアルプス登山のもので、高度な登山技術は要求されませんが、標準的な登山技術、経験は必要です。紅葉の時期の涸沢の宿泊は山小屋、テントサイトともに大混雑するので、ウィークデーに計画する、横尾に泊まって往復するなどのプランも検討したいところです。1泊2日の行程で歩けますが、日程に余裕があれば、1日目は大正池から歩くなどして、上高地散策。2日目を涸沢までとすれば、より楽しく、余裕をもって歩けます。

紅葉の見ごろは涸沢が9月下旬~10月上旬。上高地~横尾は10月中旬~下旬。上高地~横尾も紅葉のスポット、穂高岳などの展望地もあり、この時期に横尾までの往復などのプランで出かけるのもおすすめです。登山者はぐっと少なく、静かで、体力的にも楽なります。11月上旬は上高地で名残の紅葉と新雪の穂高岳連峰を眺められることもあります。紅葉の見ごろは年によって変動するので、現地の情報を確認して計画、出発するのが確実です。

上高地バスターミナルから梓川上流へ向かい、河童橋で穂高岳の連峰を眺めたら、梓川左岸の登山道を進みます。横尾までは、ほぼ1時間ごとに山小屋があり、休憩スポットにもなっています。小梨平キャンプ場を過ぎると、コメツガ、シラビソなど常緑針葉樹が主体の原生林が茂る道が続きますが、下白沢を横切るところでは前穂高岳や明神岳などの展望が開けます。

明神館がある明神分岐を過ぎ、さらに原生林を進むと、徐々に林がまばらになり、川岸に出ると梓川と明神岳などの絶景が広がります。徳沢ロッヂ、徳澤園がある徳沢を過ぎ、20分ほどで新村橋に寄れば、前穂高岳の東壁や北尾根を眺められます。登山道を進み、屏風岩の圧倒的な岩壁が迫ってくると、横尾山荘がある横尾に着きます。

横尾で槍ヶ岳へ続く梓川沿いのルートと別れ、吊り橋の横尾大橋を渡って涸沢へ。しばらく山裾の樹林を進むと樹林が開けて、屏風岩を見上げ、本谷川の河原に沿って登るようになります。本谷橋で対岸へ渡りますが、付近は河原が広く、休憩していく登山者が多いところです。

本谷橋から本格的な登りとなり、短い急登も出てきます。樹林の道が続きますが、やがて木々が低く、まばらになり、さらに谷が開けてきます。行く手に穂高岳の岩峰が見えれば、足取りも軽くなり、最後の急斜面をこなすと涸沢ヒュッテに着きます。待望の、涸沢カールを囲んで前穂高岳から奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳に連なる岩稜のパノラマも開けます。

宿泊は涸沢ヒュッテか、一段上にある涸沢小屋、または涸沢カールのテントサイトで。宿泊の手続きを済ませたら、涸沢小屋の上あたりまで散策して、紅葉と絶景を楽しみましょう。翌日は、夜明け前に起きて、朝焼けで赤く染まる穂高岳連峰も眺めましょう。帰りは、来た道をもどります