スノーハイキング

日本の冬山は積雪も多く、決して簡単には人を近づけない厳しい自然環境と言えます。一方で冬は空気が乾燥していますので、空気中の水蒸気が少なく、天気が良い時はその分クリアに景色が見られることになります。

今はバックカントリーのような冒険までは行かなくても、スノーシューやネイチャースキーで誰でも冬山を楽しむことができます。
冬の間、部屋ばかり閉じこもっていないで、夏では決して見ることができないような景色を見に、冬こそ日本アルプスへ!


八ヶ岳エリア

北八ヶ岳の雨池から縞枯山のコースは、樹氷、氷結池、そしてアルプスの絶景、と冬ならではの体験が盛りだくさん。


乗鞍・上高地エリア

夏の人気スポット乗鞍高原と上高地の雪上をハイキング。冬の楽しみを思う存分満喫できるスノー天国乗鞍高原、一方冬季閉鎖をされる上高地の美しさは心に刻まれる風景となるでしょう。

スノーハイキング 基本情報

スノーシューとネイチャースキーの魅力

スノーシューは、カナダやアラスカなどで使われてきた”かんじき”のことです。
日本の雪よりもさらに軽い雪の上でも浮力が得られるように、日本の輪かんじきよりも大きく作られてきました。現代ではプラスチックやアルミなどのフレームで作られています。
浮力があるので深雪でも足が埋まることなく歩くことができ、その時のフワフワとした浮遊感は、なんとも言えない楽しさがあります。
歩いているだけで楽しいと思える不思議な感覚と、雪山の静けさ、美しさを特別な技術がなくても体験できるのがスノーシューを使ったアクティビティーの魅力です。
一方でウロコのついた軽い板、踵の上がる軽いビンディング、そして軽いソフトブーツの組み合わせで冬の森を自由に楽しむ、それが『ネイチャースキー』です。
板に刻まれたウロコ模様により平地はもちろん緩斜面も直登でき、踵が上がることにより歩くのも快適。そして何よりゲレンデスキーよりもはるかに軽いので、自由度・軽快性・機動性は桁違いです!最近ではヘビークロカンとも呼ばれ、幅広でエッジも付いており滑りに寄せた作りになっていて、熟達すればターンも可能です。全くのスキー初心者から熟達者まで各々の遊び方に合わせてアレンジ可能。
昔のクロスカントリースキーとは一線を画する安定感&浮遊感で森の中をツーリング出来ます。
まずは気持ちよく歩ければ○。1ターンでも出来る様になったら無限の可能性が待ってます!!

雪山の予備知識

スキー場のような人工的な場所なら気軽に雪山を楽しむことができますが、
冬の自然本来の魅力を感じるためにはその人工的な空間を離れる必要があります。
そうすると必然的に自分の身を守る装備が必要となってきます。
雪山で一番怖いのは「寒さ」です。野生動物のような耐寒性のない私たち人間は、寒さから身を守らなければなりません。例えば標高2,000mを超えると、日中でも気温が-10℃くらいになる時もあります。東京の最低気温が0℃以下になる日は最近ではめったにありませんからその寒さが想像できないかもしれません。
そんな寒さの中行動できるの?と思うかもしれませんが、適切なウェアや装備を準備し、経験者と同行することで初心者でも雪山の世界を楽しむことができるのです。

装備

ウェアについて

寒さから身を守るために必要なのはまずウェアです。
汗をかくことによって着ているアンダーウェアが濡れてしまうと、それによって体が冷えてしまいます。冬は汗をかかないように歩くことが基本となりますが、それでも登りの時には汗をかいてしまうことがあります。そんな時、汗をかいてもすぐに乾く速乾性の素材のもの、または汗冷えしにくい素材のアンダーウェアが開発されていますので、そういったウェアを着用することが大切です。
また、厚手の防寒着は着ていると行動中は暑く、脱ぐと寒くなってしまうということになります。ですから、薄手のものを重ね着し、こまめに体温調整できるレイヤリング=重ね着が必要となります。アウターウェアはゴアテックスなどの防水・防風素材のものがおすすめですが、真冬の雨が予想されない場合には撥水・防風のソフトシェルでも大丈夫です。
また、休憩時などに着用するダウンなどの防寒着も必要です。防寒着はもし怪我などのトラブルがおこってしまった時に寒さから身を守ることができますので、使わなくても持っていることが大切です。

グローブについて

ウェアと同様に大切なのがグローブです。
雪山では素手にならないことが基本となりますので、薄手のアンダーグローブの上にオーバーグローブを着用します。スノーシューの着脱などの細かい作業の時はアンダーグローブで、それ以外は寒さから手を保護するためにオーバーグローブを使用します。ただ、アンダーグローブでの作業の際に雪でグローブが濡れてしまうと指先が冷たくなる原因となりますので、予備のアンダーグローブも必要となります。指先のような末端は1度冷えてしまうとなかなか温まらないので注意が必要です。それから、オーバーグローブが小さめのものだと、血行が悪くなり指先が冷える原因となります。アンダーグローブをしていてもゆとりがあるくらいのサイズのオーバーグローブをおすすめします。

靴とソックスについて

手と同様、足の指先も冷えやすい部所となります。
ソックスはウール素材が一般的ですが、その下に速乾性のアンダーソックスを履くことで足の指先の汗を外に逃して足先の冷えを軽減する効果が期待できます。
また冬用の登山靴やしっかりしたアッパー素材の防寒ブーツがおすすめですが、高価なために準備するのが難しい場合は、防水透湿素材の入った夏用登山靴で代用できます。ただし、アッパー素材が柔らかいものはスノーシューのストラップを締めることで足の血行が悪くなってしまいますので、必ずしっかりとした素材のハイカットの登山靴が必要となります。

その他装備

ザック(30L前後)、保温帽子、サングラス、ゴーグル(悪天候の時)、ゲイター、保温ボトル(暖かい飲み物)、水、行動食、ネックウォーマー、携帯カイロ、折りたたみヒップマット(雪の上に座る時に使用します)

 

装備一覧