剱岳 登山ルート

剣沢ルート

室堂~別山乗越~長次郎出合~仙人峠~ 池ノ平小屋~仙人峠~内蔵助平~黒部ダム

技術レベル: C
体力レベル: 8
難易度: ★★★★

剱岳の荒らしい姿を堪能する極上の縦走路

室堂から剱岳の展望に優れた別山乗越へ。ここからさまざまな角度から剱岳を眺めながらの縦走が始まります。とはいえ、剱沢雪渓や仙人新道などは注意が必要です。下山時に歩く内蔵助谷沿いの登山道も初心者向きとはいえません。十分な準備と体調の管理をして楽しみましょう。

室堂へのアクセス

●登山データ

日程:3泊4日
歩行時間:21時間5分
歩行距離:26 km
登り累積標高差:2,556 m

:山荘情報
室堂

標高 2,420m

↓ 2時間45分

別山乗越

標高 2,750m

↓ 1時間

剱澤小屋

標高 2,400m

↓ 1時間10分

長次郎出合

標高 2,082m

↓ 4時間25分

仙人峠

標高 2,100m

↓ 30分

池ノ平小屋

標高 2,040m

↓ 45分

仙人池ヒュッテ

標高 2,080m

↓ 2時間35分

ハシゴ谷橋

標高 1,700m

↓ 35分

真砂沢ロッジ

標高 1,780m

↓ 30分

ハシゴ谷橋

標高 1,700m

↓ 3時間20分

内蔵助平の分岐

標高 1,750m

↓ 3時間30分

黒部ダム

標高 1,450m

ルートガイド

室堂ターミナルからミクリガ池湖畔を経由して雷鳥沢キャンプ場に向かいます。ここから正面に見える勾配の強い斜面の道を登って、剱御前小舎が建つ別山乗越に向かいます。キャンプ場から浄土川に架かる小橋を渡って、雷鳥坂に取付きます。名称通り、ライチョウに遭遇できるチャンスのある道です。勾配の強い道が続きますが、左上には別山乗越から奥大日岳に向かう尾根道、右には雄山から別山乗越に向かう尾根道が見えています。さらに後方には立山道路を走るバスが見えています。こうした展望を楽しみながら頑張りましょう。上方に建物らしき物が見えてきたら、そこが別山乗越です。ここに建つ剱御前小舎の前から、憧れの剱岳が見えています。ゴツゴツとした男性的な景観に思わず、ため息がでてしまいます。小屋の前にトイレがあるので、利用していきましょう。晴天ならトイレの後方には日本海が見えるはずです。

別山乗越から剱沢キャンプ場に向かって斜面を下ります。正面に圧倒的な存在感を示す剱岳を眺めながらの降下です。ガレ気味な斜面なので滑らないように。石で組まれた小屋が見えてきます。そこが剱沢キャンプ場です。建物は野営管理所で、シーズンになると富山県警の山岳救助隊が常駐しています。無数に張られたテントの前では登山者が思い思いに過ごしています。ここを抜けてしばらく下れば剱澤小屋です。今夜はここに宿泊します。

剱澤小屋から剱岳の登山口になる剣山荘に向かう道と分かれ、剱沢を下ります。ジグザグの急勾配の道です。足下をよく確認しながら歩きましょう。左には剱沢の雪渓が見えています。この雪渓に下りる場合、残雪の状況によって降下点が異なります。踏跡をトレースして下るようにしましょう。雪渓歩きに慣れていない人は軽アイゼンを装着して、雪渓に入りましょう。左上方を眺めると剱岳の岩峰がまるで天を突くような恰好でそそり立っています。しばし、その迫力に視線を奪われるはずです。長次郎出合で長次郎谷を詰めて剱岳を目指す熟達者と分かれて、雪渓を渡り夏道に入ります。しばらく歩くと真砂沢ロッジに到着します。ここには次の日に宿泊します。池ノ平方面の登山道の状況を小屋で聞いてから出発しましょう。

真砂沢ロッジから先、近藤岩までは1時間20分ほどの行程。登山道は剱沢の渓流の左側に沿って造られています。ペンキマークに沿って歩きましょう。岩をへつるようにして通過する箇所にはクサリやハシゴが取付けられています。焦らずに進みましょう。近藤岩がある場所は二股といわれ、剱沢の本流と三ノ窓雪渓の渓流が出合う場所です。ダイナミックな三ノ窓雪渓が突きあげ、すばらしい景観が広がるところです。

二俣から仙人新道を進みます。少し勾配の強い登りが続きます。見通しのきかない道です。登り切ったところからは三ノ窓雪渓や八ッ峰が見えています。ここから尾根筋の狭い道を進みます。右に後立山連峰に属する鹿島槍ヶ岳が見えています。三ノ窓雪渓、小窓の雪渓も見えています。しばらく歩けば仙人峠です。ここで左に進路を取り、池ノ平を目指します。お花畑が広がり、迫力のある剱岳を拝むことができます。今日は池ノ平小屋に一泊しましょう。

翌日は仙人峠まで戻り、仙人池を見物してからハシゴ谷橋まで戻ります。ここで往路を戻り真砂沢ロッジに宿泊します。翌日は最終日です。ハシゴ谷橋から一気に南下して、黒部ダムにいきます。黒部ダムからは立山黒部アルペンルートを使って扇沢に下山しましょう。この場合は電気バスに乗ることになるので、最終時刻を調べて、それに間に合うスケジュールを組みましょう。ハシゴ谷乗越から10分ほどのところに展望台があります。内蔵助平を見下ろすことができる何ともいえないロケーションが広がっています。涸れた沢道のような登山道が続きます。ひたすら歩く。という感覚です。内蔵助平の分岐で左に向かいます。あまり整備されているとはいい難い道です。内蔵助谷に沿った道なので、増水時には注意しなければなりません。さらに崩壊地があります。そこはロープが連続します。転落や落石に注意が必要な箇所なため、初級者は不向きです。内蔵助谷出合で下ノ廊下へ向かう道が左に分岐します。真砂岳への道標が立っています。ここから黒部川に沿って黒部ダムを目指します。50分ほど歩いて、黒部川を渡り登山道を登れば黒部ダムの電気バス乗り場に到着します。