北八蓼科ルート
②北八ヶ岳ロープウエイ山頂駅~北横岳~亀甲池〜双子池〜双子山〜大河原峠〜将軍平〜蓼科山〜すずらん峠蓼科山登山口
技術レベル: B
体力レベル: 5
難易度: ★★
北八ヶ岳と百名山蓼科山への縦走入門ルート
北八ヶ岳ロープウェイから北へ向かい、北横岳を経て双子池で宿泊し、日本百名山の蓼科山をめぐるミニ縦走ルート、静寂の北八ッと人気の蓼科の両方を楽しめる縦走入門ルートです。双子池ヒュッテに宿泊するのもお勧めですが、テントを張って池のほとりで過ごすのも贅沢な一夜となるでしょう。
北八ヶ岳ロープウエイへのアクセス
すずらん峠 蓼科登山口へのアクセス
●登山データ
日程: 1泊2日
歩行時間: 9時間5分
歩行距離: 12.4 km
登り累積標高差: 1,073.9 m(累積下り標高差は1,583mとなります)
ルートガイド
北八ヶ岳ロープウェイの山頂駅からスタートします。
ロープウェイ駅周辺は名勝地坪庭で多くの観光客の方が探勝路のルートを歩かれています。周遊ルートを外れ北横岳へ向けたルートもまだまだスニーカーを履いた観光客が目立つハイキングコースの中です。北横岳ヒュッテの横を抜けてロープウェイ山頂駅から1時間10分ほど歩くと北横岳南峰に着きます。天気が良ければロープウェイの駅を眼下に八ヶ岳の全景を見ることができます。すぐ目の前にはこれから向かう蓼科山の堂々とした円錐形の全容も伺うことができます。
少し離れた場所にある北横岳北峰からは一気に亀甲池まで降ります。結構な急勾配の下りが1時間ほど続き気がつくと林の向こうの池が目に入ってきます。池の南西部を回りながら今度は双子池を目指します。
亀甲池から双子池までは北八ヶ岳らしい静寂の森のアップダウンルートですが、30分ほど歩けば最初に双子池のテント場に出ます。目的地となる双子池ヒュッテはここから更に池をぐるりと回り込みます。テント場に入って10分ほどで双子池ヒュッテに到着します。双子池の名前の通り、同じくらいの大きさの池が双子池ヒュッテを挟んで南北に佇みます。ヒュッテでの宿泊ももちろんお勧めですが、天気が良ければ湖畔にテントを張って、池に映る月や星を眺めながら夜を過ごすのはとても贅沢な時間となるでしょう。ただし、テント場から双子池ヒュッテのトイレは少し歩かなければならないので、トイレの近い人には不向きかもしれません。
ここからは大河原峠を目指して双子山を登ります。双子山まで来ると蓼科山は本当に目と鼻の先に見えてきます。大河原峠に降りたら今度は蓼科山の登り返しルートです。途中の将軍平までは基本的には上りとなりますが、ここは初心者向けルートなので、それほどの急坂ではありません。1時間40分ほどで蓼科山荘のある将軍平に着きます。ここで一息入れましょう。
ここから先はこのルートでは唯一の難所となる岩の急登に入ります。下山する方とも譲り合ってゆっくりと自分のペースを守りながら岩を上り詰めていきます。ルートが少し左にトラバースして、森林限界を超えると東側の視界が広がり、八ヶ岳南部の景色が飛び込んできます。ここまで来れば山頂大地は目と鼻の先。蓼科山頂ヒュッテの先はゴツゴツとした岩が広がる山頂大地です。
標高2630.7mの山頂は岩を跨ぎながら5分もかからない所にあります。ここはまさに360度の視界が広がる大地ですが、山頂部はちょうどお椀を伏せたような場所で、その東側に位置しており、北・西側の景色は山頂からは見づらく、ゴツゴツした岩の中を西側へ移動する必要があります。山頂大地の真ん中にある蓼科神社の奥宮で登頂のお礼をした後に、西側の方位指示板の跡があるところまで進みましょう。そこからは待ち望んだ北アルプスの絶景を楽しむことができます。
下りは蓼科登山口ルートへ降りて行きます。
こちらは大河原峠ルートとは異なり、直登・直降のルートでひたすらに森の中を急勾配のルートが続きます。こちら側からの登山は展望も少なく厳しい上りとなるので初心者の方にはお勧めしづらいルートと言えるかもしれません。特に下りの前半戦(登りだと後半戦)は段差の大きな道が続き慎重さが求められます。ようやく半分が過ぎたあたりで何箇所か視界が開けます。八子ヶ峰のヒュッテアルビレオが正面によく見えます。厳しいルートを2時間以上下るとようやくビーナスラインの蓼科登山口にたどり着きます。登山口には夏期白樺湖と茅野の駅を結ぶバスが1日2便出ていますので、時間が合えばバスを利用するのも良いかもしれません。