西穂高岳 登山ルート

西穂高岳 ロープウェイルート

ロープウェイ山頂 西穂高口~西穂山荘~西穂独標~西穂高岳~西穂独標~西穂山荘~ロープウェイ山頂

技術レベル: C
体力レベル: 3
難易度: ★★★

西穂高岳の岩稜線歩きを楽しむ

ロープウエイを利用して西穂高岳山頂に登る。まずは西穂独標まで登ってみよう。※核心部はヘルメットを着用してください。
西穂高岳から奥穂高岳への稜線ルートは整備された登山ルートではなく、上級者向けの岩稜難関ルートです。

新穂高ロープウェイへのアクセス

●登山データ

日程: 1泊2日・上級者は日帰りも可能
歩行時間: 8時間5分(登り: 西穂山荘まで1時間30分、西穂高岳まで4時間50分、下り: ロープウエイ駅まで3時間15分)
歩行距離: 7.7 ㎞
最高峰:西穂高岳(2,909m)
登り累積標高差: 870 m(下り累積標高ー870m)

:山荘情報
ロープウエイ山頂(西穂高口)

標高 2,156m

↓ 1時間30分

西穂山荘

標高 2,367m

↓ 20分

丸山

標高 2,452m

↓ 1時間

西穂独標

標高 2,701m

↓ 45分

ピラミッドピーク

標高 2,773m

↓ 1時間

西穂高岳

標高 2,909m

↓ 1時間30分

西穂独標

標高 2,701m

↓ 45分

西穂山荘

標高 2,367m

↓ 1時間

ロープウエイ山頂(西穂高口)

標高 2,156m

ルートガイド

新穂高温泉からロープウェイで一気に標高を稼ぎ西穂高口まで行きます。車窓から見えているのは西穂高岳を中心にした穂高の稜線です。西穂高口から西穂山荘までは展望には恵まれない樹林帯を歩きます。標高差は200m。歩行時間は1時間30分。木々の間から西穂高の稜線が見えています。針葉樹林からダケカンバやナナカマドが目立つ登山道に入ると勾配が強くなるので、立ち休みを繰り返しながら進みましょう。ハイマツ帯を抜ければ西穂山荘に到着です。そのまま直進して、西穂高岳をピストンすれば日帰り登山ができます。しかし、それをしていいのは上級者に近い中級者以上の人に限られます。初級者は西穂山荘に一泊して、山頂をピストンしましょう。また、西穂山荘は通年営業でエキスパートも多く宿泊します。そうした人たちから経験談を聞くことができるチャンスがあるかもしれません。

西穂山荘から軽く岩場を登りハイマツの間を進みます。10分ほどで西穂高岳の美しい山容が見えてきます。その手前に見えている尖った頂がピラミッドピークで、独標よりもひとつ西穂高岳寄りになります。多くのハイカーが展望を楽しむ丸山山頂付近は高山植物も見事です。勾配が緩くなると丸山山頂に到着。多くのハイカーや観光客が記念撮影しています。

丸山からお花畑がきれいな道を進みます。左斜面を登って独標の下部を回り込んだ場所に、落雷により死亡した松本の高校生たちの慰霊碑があります。西穂高岳エリアは落雷が多いため、ほかの山域と比べるとクサリ場が少ないのも特徴のひとつかもしれません。万一、雷雲が現れたら即刻下山することをおすすめします。

独標へは岩の多いガレ気味の登山道をジグザグに登ります。ただし、ここの登りが怖いようなら、独標から先を歩くことはできません。そのため、この辺りで引き返す人を頻繁に見かけます。独標山頂は遮る物がないため展望は素晴らしいのひと言ですが、岩場なので歩き回ることはせずに岩の上に腰を下ろして展望を楽しみましょう。急勾配で知られる重太郎新道を登る登山者の姿を確認することができるかもしれません。独標までが精一杯なら、無理をしないで引き返しましょう。ここから先はレベルが一段上がります。

独標山頂から崩れやすく細い尾根道に入ります。すぐに両側が切れ落ちた稜線を歩きます。さらに岩稜のナイフエッジを上下すればピラミッドピークです。前穂高岳やそこに至る重太郎新道、岳沢ヒュッテが見渡せます。ピラミッドピークを過ぎるとアップダウンのある細い岩稜線を進むことになるので気を付けましょう。盛夏だと多くの人が入山するので、すれ違いにはとくに注意が必要です。岩場に描かれた→や〇がペイントマークに従いましょう。滑落や転倒はこうしたことを守らない場合に起きることが多いので、自己判断をしないこと。右側に長いクサリが張られた岩場が現れます。

さらにペンキマークに従い落ち着いて進みましょう。すぐにアップダウンがきついガレ場に入ります。三点確保の姿勢を保ちながら4峰、3峰を越えます。2峰を越えて岩の上を慎重に進めば西穂高岳山頂に到着します。天気が良ければ穂高連峰の雄姿を拝むことができます。展望を楽しみ、十分休憩したら往路を忠実に戻ります。

また最近、西穂高岳からジャンダルムに向かう人が増えています。しかし、西穂高岳までが怖かったり辛かったらジャンダルム攻略は難しいと思われます。例え友達と一緒でも素直に引き返しましょう。さらにソロでジャンダルムに登ることも避けましょう。近年SNSで映像が出回ってジャンダルム挑戦者が増えてきましたが、同時に遭難者も増えています。
登坂力がある方でも、経験豊富な上級者や登山ガイドに引率を頼みましょう。