北岳 登山ルート

野呂川ルート

③野呂川出合(バス停)→両俣小屋→野呂川越→三峰岳→間ノ岳→北岳→八本歯のコル→大樺沢二俣→広河原バス停

技術レベル: D
体力レベル: 7
難易度: ★★★★

歩く人の少ない野呂川越から登る健脚コース

野呂川出合までは広河原~北沢峠を結ぶ南アルプス市営バスを利用した方が時間は節約できます。ただし、運行本数が少ないので事前に確認しておきましょう。また、南アルプス林道を野呂川出合まで歩く場合は、北沢峠から1時間10分の下り。広河原からは2時間10の登りになります。

仙流荘-北沢峠へのアクセス

●登山データ

日程:2泊3日
歩行時間:13時間55分(北沢峠から15時間5分)
歩行距離:26.4km
累積標高差:2,291.8m

:山荘情報
野呂川出合(バス停)

標高 1,790m

↓ 2時間20分

両俣小屋

標高 2,000m

↓ 1時間

野呂川越

標高 2,290m

↓ 3時間

三峰岳

標高 2,999m

↓ 1時間

間ノ岳

標高 3,189m

↓ 2時間40分

北岳

標高 3,193m

↓ 45分

八本歯のコル

標高 2,920m

↓ 1時間10分

大樺沢二俣

標高 2,209m

↓ 2時間

広河原バス停

標高 1,520m

ルートガイド

野呂川出合のバス停から野呂川に沿って未舗装の林道を歩き始めます。左下に流れる野呂川のせせらぎを聞きなが歩きます。周囲は深い緑に囲まれ気分は上々です。ただし、天候の悪い日にはただ長く辛い登りになってしまいます。登山計画をする場合は、必ず天気予報を確認するようにしましょう。野呂川源流の河原沿いを歩くようになるとテントサイトに入ります。ここを抜けたところに両俣小屋が建っています。今夜はここに宿泊しましょう。初日は2時間20分ほどの林道歩きでしたが、2日目は一気の北岳直下まで登りますので早々に就寝しましょう。

2日目は両俣小屋の裏手から野呂川越に向かう道標に従います。同じところに「北岳→」の道標が立っています。これは北岳に直登するコースですが、上級者でないと登ることができません。必ず野呂川越を目指しましょう。少し急勾配の道をゆっくり登ります。倒木の多い樹林帯を1時間ほど登れば野呂川越に到着します。ここで仙丈ヶ岳から派生する仙塩尾根に乗ったことになります。ここから三峰岳へ向かいます。木々の間から富士山の次に標高の高い北岳が見えています。これから向かう山です。独標を越えると灌木帯に入ります。すぐに登山道は細くなり、5mほどのクサリを乗り越えることになります。その後は砂地の急坂を進みます。三峰岳直下で間ノ岳に向かう道と合流します。この一段上が標高2,999mの三峰岳です。縦走路に入る前に寄っていきましょう。間ノ岳までは1時間。農鳥岳を右に眺めながら登ります。辿り着いた間ノ岳は広く、展望に優れています。南に赤石岳、聖岳、光岳、西には中央アルプスの山並み、北アルプス、八ヶ岳、奥秩父山系を見渡すことができます。展望を楽しんだら北岳方面に向かいましょう。小さなアップダウンを繰り返していく。中白根山を越えると右に小屋が見えてきます。国際的に有名な建築家が設計した北岳山荘です。今日はここに宿泊します。

北岳山荘から北岳山頂に向かう登山道は2本あります。ひとつは稜線をそのまま登るルート。もうひとつは稜線南東側のトラバース道ですが、稜線をそのまま登る人が多いようです。トラバース道は高山植物が豊富な道です。固有種のキタソウを鑑賞することもできますが、八本歯のコルと吊尾根分岐の間にでるため、山頂までは10分ほど遠回りになります。吊尾根分岐からは20分ほどで北岳山頂に到着します。夜明けに北岳山荘を出発すれば、山頂から雲海に浮かぶ富士山を展望することができます。山頂は広いのでのんびりできます。

下山は山頂から吊尾根分岐まで戻り、八本歯のコルへ下山します。途中には長いハシゴを下る箇所があるため注意が必要です。八本歯のコルからは大樺沢二俣へ下ります。左俣コースといわれるザレたジグザグ道です。ここで注意したいのが、バットレス直下付近です。バットレスからの落石があるからです。上方に注意しながら足早に通過しましょう。また、この左俣コースは8月まで雪渓が残りますが、できるだけ雪渓を下らずならべく左岸を歩きましょう。大樺沢二俣は右俣コースと白根御池小屋からのルートが合流する地点です。チップ制のトイレもあるため、多くの登山者が休憩しています。ここからさらに大樺沢の左岸を下ります。途中に崩落のため、右岸にう回路が造られています。そのまま下れば白根御池小屋からのルートが合流してきます。そのまま下り、吊橋を渡れば広河原に到着します。広河原からはバスで甲府駅に向かいましょう。