一ノ沢ルート
①一ノ沢登山口~王滝ベンチ~胸突八丁~常念乗越~常念岳~常念乗越~胸突八丁~王滝ベンチ~一ノ沢登山口
技術レベル: B
体力レベル: 4
難易度: ★★
目の前に北アルプスの大絶景が広がる北アルプス入門の山。1泊2日でそのロケーションと道程を楽しみましょう。
●登山データ
日程: 1泊2日
歩行時間: 8時間35分(登り: 5時間、下り: 3時間35分)
歩行距離: 12.0 ㎞
登り累積標高差: 1,570 m
王滝ベンチ
標高 1,617m
↓ 1時間40分
胸突八丁
標高 2,090m
↓ 1時間20分
常念乗越
標高 2,450m
↓ 1時間
常念乗越
標高 2,450m
↓ 1時間
胸突八丁
標高 2,090m
↓ 1時間10分
王滝ベンチ
標高 1,617m
↓ 40分
一ノ沢登山口
標高 1,320m
ルートガイド
常念岳の素晴らしさは、山頂からのロケーションにあります。槍ヶ岳を中心にしてそこに向かう喜作新道が眺められます。双眼鏡を持っていれば喜作新道を歩く登山者の姿も確認できるはずです。また、常念岳は北アルプス登山の入門の山。と位置づける人も少なくありません。確かにこの山に登って北アルプスの虜になった人も数多くいます。常念岳は安曇野から眺めると北アルプス主稜線の手前に聳え立っています。マイカーなら登山口手前まで入ることができます。
登山口の一ノ沢には登山相談所と休憩所、トイレが併設されています。駐車場は一ノ沢手前にあります。登山相談所で登山届を提出したら登山道に入ります。歩き出しは一ノ沢から少し離れた樹林帯を進みます。すぐに鳥居とトチノキのある「山ノ神」の前を通過します。登山の無事を願っていきましょう。枝に付けられたピンクテープに従って進みます。狭い登山道の先に大滝の看板が見えてきます。さらに進むと右から流れ込む小さな沢を木橋で渡ります。その先が一ノ沢の河原です。前方に常念岳の稜線が見えています。小さな流れを渡り、直線的な上りになると、少し勾配が強くなります。立ち休みを繰り返しながら歩きましょう。登山道脇にはオンタデやクルマユリ、ヤマハハコ、ニッコウキスゲ、キンコウカなどの高山植物が咲いています。休憩を兼ねて花を観察していきましょう。沢沿いの道から右の斜面を高巻いて下り烏帽子沢を横切ります。この辺りが登山口と常念小屋の距離的な中間地点になりますが、高低的にはまだ3分の2近く残っています。
烏帽子沢から少し荒れた沢に沿って登ります。少しずつ勾配がでてきます。呼吸のリズムに合わせて登ることに専念しましょう。疲れる前に立ち休みをしながら進みます。正面の上方に丸太の階段が見えてきます。そこが胸突八丁です。ひと息入れて丸太の階段を登ります。下ってくる人も多いので、すれ違いには注意しましょう。その後は一ノ沢源流の崩壊地上の斜面を登ります。少し勾配が強いので焦らないように。大きく右に曲がるとさらに勾配が増します。若干勾配がゆるくなると最後の水場に到着します。この先に水場はないので、山の恵みをたっぷり頂戴しましょう。
この水場を過ぎると針葉樹林帯を登ることになります。傾斜は急ですが、道はジグザグに造られているので無理のないペースで登るようにしましょう。最初の崩壊地は通行に注意が必要です。コースの要所にはベンチが設けられているので、適宜休憩しながら登るようにしましょう。第三ベンチを過ぎるとダケカンバが目立つようになります。林が切れると目指す常念岳が視界に入ってきます。森林をでてハイマツ帯を斜上すると、常念乗越に乘ることができます。ここは大天井岳と常念岳を結ぶ縦走路の一角です。山頂標識の後ろに建っているのが今宵の宿となる常念小屋です。その後方には槍・穂高連峰が広がっています。
翌日は小屋をでたら右へ。急勾配の稜線を登ります。右手には槍ヶ岳や穂高の山並みが広がっています。斜め後方に見えているのは大天井岳です。稜線は広いですが、ガレ気味なので滑らないように注意しましょう。傾斜が落ち着いてくると三股へ下る道が分岐します。ここを見送るとひと息で常念岳山頂に到着します。常念岳の山頂は岩に覆われ、それほど広くはありません。空いている岩に腰を下ろし、ゆっくり展望を楽しみましょう。目の前にそびえる槍・穂高連峰の全容をはじめとする北アルプスや中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳、富士山までが見渡せます。時間が許す限り展望を楽しみましょう。下山は往路を戻ります。すべて下り道なのでこまめに休憩を繰り返しながら歩きましょう。