蝶ヶ岳ー上高地ルート/蝶ヶ岳ー鍋冠山ルート
上高地ー徳沢園ー2,000m平ー長塀山ー蝶ヶ岳ー蝶ヶ岳ヒュッテー(蝶槍)ー大滝山ー八丁ダルミー鍋割山ー冷沢ー三郷スカイライン展望台駐車場
技術レベル: B
体力レベル: 4
難易度: ★★★
1泊2日で楽しむ槍穂の大絶景。帰路は素直に上高地へ降りるルートもありますが、ここでは大滝山から鍋割山へ下る静かな林間コースを行きます。登山口の冷沢口までは自家用のクルマかタクシーとなります。
●登山データ
日程: 1泊2日
歩行時間: 13時間10分(登り: 6時間40分、下り:6時間30分 蝶槍は往復+1時間20分)
歩行距離: 25.8 km
登り累積標高差: 1,760 m 下り累積標高 -1,884m
徳沢園
標高 1,562m
↓ 1時間40分
蝶ヶ岳/蝶ヶ岳ヒュッテ
標高 2,677m
↓ 50分
蝶槍
標高 2,665m
↓ 2時間20分
大滝山
標高 2,614m
↓ 1時間半
八丁ダルミ
標高 2,112m
↓ 1時間半
ルートガイド
上高地からスタートして、蝶ヶ岳、そのまま上高地へ戻ることもできますが、蝶ヶ岳から更に大滝山を目指します。
上高地から梓川右岸の歩道を歩き明神を越え槍穂高へも向かうルートを徳沢園まで進んでいきます。この道はほとんど平坦な道で爽やかな林の小道を1時間30分から2時間ほどで徳沢園に着きます。キャンプ場を越え、宿泊施設右手奥に登山口がありここから本格的な登山を開始します。いきなり長塀尾根の日本アルプスらしい急登が続きます。樹林帯の景色も変化に乏しく我慢の登行となります。1時間30分あまり歩くと少し広いスペースに到着します。ちょうど標高2,000mの平地になります。ここで休憩しましょう。ここからまだまだ急登が続きます。後半は比較的緩やかにはなりますが、地味な登りが体力を奪い、なかなか目指す第1目標の長塀山(ながかべやま)山頂へたどりつきません。無理をせず、こまめに休憩を取って体力を回復させながら進みましょう。登山口から3時間半〜4時間でようやく長塀山山頂へ辿り着きます。残念ながらここも景色には恵まれていません。
この山からは少しアップダウンが続き湿地帯を進むルートとなります。いくつかの池を越え、更に妖精ノ池と呼ばれる少し大きな池を越えて進むと、ようやく森林限界へ達し視界が開けていきます。同時に左手には谷を挟んで穂高連峰の雄姿がその目に飛び込んできます。続いて蝶ヶ岳ヒュッテの赤い建物も確認でき、最後の力が湧き上がってきます。徳沢園登山口から5時間ほどでようやく蝶ヶ岳山頂です。山頂はヒュッテのすぐ上にありますが、山頂を踏んでからヒュッテに入りましょう。この日はここに泊まります。チェックインの後は穂高連峰の雄姿をこころゆくままご堪能して下さい。
2日目朝食の後、体力に余裕があれば蝶ヶ岳ヒュッテから蝶槍まで足を伸ばしましょう。片道40−50分足らずの歩行ですが、日本アルプスの最も美しい景観の稜線を堪能することができます。また蝶槍まで来ると、槍ヶ岳へ更にぐっと近づき、槍穂高連峰の迫力が増すように感じるはずです。
下山はそのまま上高地へ戻る事もできますが、ここでは登山者の比較的少ない大滝山方面へ向かってみます。一旦樹林帯に入りますが大滝山手前からは再び樹林帯を抜け、今度は少しだけ遠景ですが御嶽山から鷲羽岳方面までの絶景を堪能できる稜線歩きとなります。目のよい人なら蝶ヶ岳から落ちる谷筋に「羽衣の滝」を見つけることができるでしょう。大滝山は南北二つの峰を持つ双耳峰で、その間にある樹間にこじんまりとした大滝山荘が建っています。蝶ヶ岳ヒュッテの賑わいを避け、ここに泊まる方もいるようですが、小さな池を眼前にした素敵な山荘です。
ここからは一気に標高を下げ、鍋冠山を目指します。急なくだりを降りた後は気持ちのよい樹林帯八丁ダルミを歩きます。しばらくゆるやかなアップダウンを繰り返すと鍋冠山へ着きます。鍋冠山は標高2194mですがここも樹林帯の山頂です。この登山道ではほとんど人と出会うことも少ないようですが、登山道自体はたいへんよく整備されています。大滝山から3時間ほどで林道冷沢登山口へ降り着きます。ここから更に林道を1時間足らず歩くと三郷スカイライン展望台の駐車場で、クルマはここまで上がってくることができます。ここには立派なトイレが設備されていますので、話の種にお立ち寄りください。タクシーの方は山頂から下山の前にタクシー会社に連絡するのが良いでしょう。