黒部峡谷 登山ルート

黒部峡谷下ノ廊下ルート

黒部ダム~内蔵助谷出合~白竜峡~十字峡~東谷吊橋~阿曽原温泉小屋~欅平駅

技術レベル: E
体力レベル: 6
難易度: ★★★★★

黒部峡谷の核心部分を歩く

黒部ダムから欅平までの南北に延びる長い道のりです。エスケープルートはなく、緊張感が連続する縦走路です。技術、体力、精神力ともに最も難度の高いコースといえます。さらにソロで入山するのは自殺行為で
す。必ずグループで行動しましょう。もちろんヘルメットは必携、常時着用してください。
※通行できる時期が限られていますのでご注意下さい。計画段階で必ず事前に通行可能かどうかを確認して下さい。

宇奈月温泉へのアクセス
扇沢へのアクセス

●登山データ

日程:1泊2日(黒部ダムから)
歩行時間:13時間
歩行距離:26km
登り累計標高差:2,341m

:山荘情報
黒部ダム

標高 1,450m

↓ 1時間20分

内蔵助谷出合

標高 1,260m

↓ 2時間

白竜峡

標高 980m

↓ 1時間20分

十字峡

標高 970m

↓ 2時間

東谷吊橋

標高 950m

↓ 1時間5分

↓ 5時間15分

欅平駅

標高 590m

ルートガイド

スタート地点となるのは立山黒部アルペンルートの黒部ダム駅です。扇沢駅からの場合は電気バスに乗り黒部ダム駅で下車します。駅を出たらトンネルをくぐって滝谷側に出ます。急坂なので足元に注意しながら歩きましょう。ダムの下部から旧日電歩道を歩きます。この歩道は第二次世界大戦前に水力発電の調査のために造られた道です。橋を渡って対岸に出たら黒部川に沿って歩きます。そのまま歩けば内蔵助谷出合に到着します。

ひと休みしたら先に進みます。ここからが核心部分です。水平歩道ともいわれますが、ヘルメットを着用して出発しましょう。V字峡の壁面に細い道が刻まれているのが見えてきます。断崖絶壁の岸壁にコの字型にくり抜いた登山道があります。ワイヤーロープや丸木の足場、木製のハシゴなどが連続する道です。落石も多いので頭上にも注意が必要です。この難ルートを白竜峡まで歩くことになります。緊張の連続なので気を引き締めて歩きましょう。大ヘツリを過ぎると別山谷出合です。さらに全身を危機感に包みながら進めば20分ほどで白竜峡です。

白竜峡を過ぎると多少緊張がゆるんできますが、油断は禁物です。転落に注意しながら進んで十字峡に向かいます。十字峡には下降する道がありますが、滑りやすいので要注意です。吊橋を渡ってS字峡に出ます。気を抜かず下ノ廊下と命名された岩屑の道を進みます。黒部第四発電所の建物が見えてくれば東谷吊橋はもうすぐです。ここを渡って照明のないトンネルをヘッドランプを頼りにして通過します。トンネルを抜けて車道を15分ほど歩けば仙人ダムです。ダムを渡って案内板に従ってトンネルを抜ければ人見平です。

人見平から樹林帯を急登します。峠を越えた地点に建つのが阿曽原温泉小屋です。今夜はここに宿泊します。

翌日は欅平駅まで行きます。歩行時間は5時間15分。阿曽原谷の川を渡って急坂をクリアすると登山道に合流します。この辺りから比較的歩きやすい道が続きます。折尾ノ大滝を過ぎて短いトンネルを抜けます。さらに進むと大太鼓展望台に到着します。欅平駅が俯瞰できるところです。谷側を進むと志合谷で暗いトンネルを通過します。ヘッドランプを装着しましょう。足元には水が溜まっていますので、防水対策を考えましょう。トンネルの長さは150mくらいです。ここを抜けて坂道を登ります。勾配が安定してくると大きな岩をくり抜いたトンネルに入ります。ここを抜けてシジミ坂を下れば欅平に到着します。