日本の屋根とも呼ばれている「日本アルプス」。
正式には、穂高連峰や槍ヶ岳、立山などがある北アルプスは「飛騨山脈」、木曽駒ヶ岳や空木岳などがある中央アルプスは「木曽山脈」、
北岳や赤石岳のある南アルプスは「赤石山脈」という日本固有の名称があり、日本アルプスというのはこの3つのアルプスの総称です。
八ヶ岳連峰や蓼科山、霧ケ峰、美ヶ原の山域も含めてこの地域は国立公園や日本ジオパーク、ユネスコエコパークなど様々な形で認定を受けていて世界的に見ても有数の山岳自然環境のエリアと言えます。
山を登り始めた人は、いつかはこのエリアに足を運びたいと願い、ベテランのクライマーはまるで中毒のように、いつの間にか足を運んでしまう、そんな魅力にあふれる山やポイントが数多く存在します。
今から百年以上前の明治時代、イギリス人によって名づけられた「日本アルプス」、彼らにとっては本場ヨーロッパアルプスよりも標高が低く、その山域の広さも山の数も劣る日本アルプスですが、彼らをも惹きつけてやまない何かがそこにはあったようです。確かに氷河を歩くようなルートこそありませんが、逆に氷河を歩く登山技術が無くても、少し頑張れば3000mを超える山頂に立つことができ、山頂に立って四方を見渡せばその壮大なランドスケープは言葉にできない、決してヨーロッパアルプスに引けをとらないような絶景が広がっている、1つにはそんなことだったかもしれません。
更にこの山域には本格的な岩登りの技術を必要とするクライミングコースから、バスを降りて1時間余り歩けば、標高3000mを超える山頂に達するようなファミリー向けのハイキングコース、高峰を見渡しながらどこまでも続くロングトレッキングコースなど、山を歩く楽しみ方は実に多彩。また冬には世界でも有数のパウダースノーが大量に降り積もり、リゾートスキーコースが数多くオープンします。
この「日本アルプス」、今では日本人だけではなく、日本ならではの山の楽しみ方を求めて、世界中の登山家、山を愛する人達、スキーヤー、アウトドアファンからも注目されています。