八ヶ岳 紅葉ハイキングルート
秋の南八ヶ岳核心部 桜平~夏沢峠~硫黄岳~横岳~赤岳~横岳~硫黄岳~夏沢峠~桜平
天空の草原と湿原を一周し、
展望も満喫する魅力満載のルート
●登山データ
日程:日帰りないし1泊2日
歩行時間:9時間15分(登り:5時間20分、下り:3時間55分)
歩行距離:16.2km
高低差:1,010m
桜平
標高 1,890m
↓ 1時間40分
夏沢峠
標高 2,430m
↓ 1時間
硫黄岳
標高 2,741m
↓ 1時間20分
横岳
標高 2,829m
↓ 1時間20分
赤岳
標高 2,899m
↓ 1時間10分
横岳
標高 2,829m
↓ 1時間
硫黄岳
標高 2,741m
↓ 40分
夏沢峠
標高 2,430m
↓ 1時間5分
桜平
標高 1,890m
ルートガイド
八ヶ岳の登山口で最も多くの登山者を迎えるのは、アクセスがよく、様々なルートの起点となる美濃戸口ですが、最近、人気上昇中なのが桜平。標高が1,890mあり、美濃戸口より400mも高く、赤岳までの標高差は3分の2ほどと、体力的に楽なことが大きな理由です。
桜平へは、公共の交通機関がなく、タクシー利用となるのは難点ですが、JR中央本線茅野駅からタクシーで約1時間、7,500円。9人乗れるジャンボタクシーなら12,000円ほどなので、人数がそろえば、リーズナブルです。マイカーは、中央自動車道諏訪ICから約30分、21kmで桜平登山口。計約150台の無料駐車場があります。
マイカー利用の場合は、桜平から往復になりますが、公共の交通機関利用の場合は、赤岳から、別項の南八ヶ岳縦走ルートの逆コースで美濃戸口へ下山することもできます。また、赤岳へ縦走せず、硫黄岳までとすれば往復4時間25分、距離8.8kmほどの手ごろなコースになります。横岳、赤岳の岩場を避けられるので、技術レベルはC、体力レベルは2になります。
桜平登山口から車止めゲートを通って林道を進み、夏沢鉱泉から山道を登るようになります。常緑針葉樹林をゆるやかに登り、樹林が開けるとオーレン小屋。ここから涸れた沢状の登山道を登りつめると夏沢峠に着きます。南北八ヶ岳を結ぶ主脈縦走路の尾根上で、硫黄岳の爆裂火口壁を見上げられ、縦走路を挟んでヒュッテ夏沢と山びこ荘が建っています。
夏沢峠からひと登りすると、森林限界を超え、ザレとハイマツの急斜面をジグザグに登るようになります。背後に蓼科山などの展望が開け、平坦で広い硫黄岳山頂に登り着けば、目の前に横岳から赤岳、阿弥陀岳の岩峰がそびえて圧巻。北アルプスなども眺められます。
赤岳へ向かって、ゆるやかに下ると、硫黄岳山荘がある大ダルミで、夏はコマクサをはじめとする高山植物の花を楽しめます。横岳へ登り返すと、はじめはゆるやかな斜面ですが、やがて岩稜となり、スリリングな縦走路をクサリやハシゴに助けられて横岳・奥ノ院に登り着きます。奥ノ院から先もクサリ場が断続し、やっと岩稜を終えると地蔵ノ頭に下り着きます。すぐの赤岳天望荘から、いよいよ赤岳の登りです。横岳ほどではありませんが、岩場もあるので、木をゆるめずに登りましょう。
登り着いた山頂は赤岳頂上山荘がある赤岳北峰。すぐ先が2899.4mの三角点がある、八ヶ岳最高峰の南峰です。360度のパノラマが広がり、富士山、南アルプスなどもよく見えます。展望を楽しんだら下山しますが、往復の場合の赤岳の下りと横岳の岩場、美濃戸口へ下る場合の急下降は、とくに慎重に、スリップや落石を起こさないよう、くれぐれも注意を。
紅葉は、例年、山の上では草付きの高山植物、ウラシマツツジなどの低木が9月下旬~10月上旬ごろ。中腹の針葉樹林に混じるダケカンバやナナカマドが10月上旬~中旬、登山口付近の落葉広葉樹やカラマツが10月中旬~10月下旬ごろです。紅葉の時期は、天気が崩れるとみぞれや雪になることもあるので、装備を調え、ビギナーはベテランと同行するなど、安全を心がけて臨みましょう。